
よるのいきもの
@yoruno
2025年5月10日

ざんねんなスパイ
一條次郎
読み終わった
大きなリスである。
堂々とボンネットに立ち、酒瓶を片手に煙を吐く銃を構えている。一番星のついたおしゃれなショルダーバッグからは、帽子付きのクソデカどんぐりがはみ出ている。
私はリスが好きだ。というか齧歯類が好きだ。動物が好きだ。表紙に動物がいると、それだけで目がとまる。
今回はリスである。
三角形の耳。ふさふさのしっぽ。ふっくらしたほほ。お腹の毛は白いようだ。
トウブハイイロリスなのか、アカリスなのか、はたまた夏毛のニホンリスなのかはわからないが、とにかくとてもかわいい。
しかも大きい。
とても大きい。
すごく大きい。
人間より巨大なリス、キョリス。
なんとこのキョリスは作品のイメージでも、主人公の比喩でもない。ちゃんと作中に登場する。ただし、出番は多いとは言えない。この物語の主人公は73歳のおじいちゃんだからだ。
それでも、この表紙の大きなリスに興味が湧いた人は、キョリス目当てに読んでみてもいいと思う。
その際は、ちゃんと試し読みをして、ハマる人はとことんハマると言われる独特のノリをしっかり確認してほしい。
残念ながら私は完全に置いていかれた。この表現は問題ないのかと無駄にハラハラするような場面もあったが、キョリスのおかげで最後まで読めた。素敵なリスをありがとう。
キョリスはとても大きくて、ふさふさで、ふてぶてしい。
うちの近所にも、こんな巨大なリスがいてほしい。
