noko "芸人と俳人" 2025年5月12日

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2025年5月12日
芸人と俳人
芸人と俳人
又吉直樹,
堀本裕樹
「俳句の勉強は真似から始まる(ある意味では一生真似ともいえる)。型の芸、言葉の術である定型短詩は、先人の真似なくしてモノになる筈がない。但し、いつでも「いま」「ここに」ある「われ」を捨ててはならない。そうでなければ、うまい作者にはなれても、ついに独自の俳句作家にはなれない」(『決定版 俳句に大事な五つのこと』角川学芸出版) その(上田)五千足の句に、「まぼろしの花湧く花のさかりかな」というのがあります。花は、春の季語で桜です。普通は、花の盛りだけに目をとらわれて、そこを詠もうとすると思うんです。でも五千石は、満開の桜が咲いているのを見ながら、幻の花を湧かせているんです。 この句について、「こういうとき芭蕉の「よく見れば」という言葉が生きてきます。我慢して「よく見」ていれば何かが発見できるものです。「まぼろしの花」が見えてきたのはそのお陰です。現実の「花」も「湧」きつぎ、「まぼろしの花」も「湧」きついで咲き加わっているのが見えてきたのです。「花のさかり」は虚実の「花」の混交だったのです」と、解説しています。
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