ぬ井(3匹のペンギン文庫) "初夏ものがたり" 2025年5月10日

初夏ものがたり
初夏ものがたり
山尾悠子,
酒井駒子
この時期にぴったりの物語。4篇ともひと時だけ死者が還ってくるお話だけど、初夏のみずみずしい描写が印象。 日本庭園も洋館もあるお屋敷を舞台に、日本の5月の美しさを描いた「通夜の客」が1番好きかも。山尾作品に出てくる、似たような人たちがわらわらしている描写が好きだな。「ラピスラズリ」「小鳥たち」にも出てくる。 ほかの作品とはずいぶん違って少女小説のような筆致だと思ったらコバルト文庫の収録作品だったんですね。インクルージョンのある鉱物をあらゆる角度から眺めるような気持ちで山尾作品を読んできたけど、この作品は映画を見るようにさらりと読めた。
初夏ものがたり
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