
渡辺洋介
@yskw0514
2025年5月12日

読み終わった
2025 年を代表する 1 冊だろう。
新書ながらものすごいボリュームで読み応え充分。データバッチリ
自分語りで恐縮だが、書店(アルバイト)→取次(正社員)→版元(正社員)と経験しているので各々の立場が骨身に沁みついている。
なので、条件闘争等には触れずにおく。
分岐点となったのはやはり 1979 年 8 月の公正取引委員会から示された
「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」だろう
これにより
「書店と取次、出版社は業界団体同士での交渉ではなく、各社が個別に契約するほかなくなる。結果、中小書店は出版社や市場を寡占している大手取次との要件闘争が事実上不可能になった。」P95
ただ以下の面から見るとまた違った印象も受けるのではないだろうか
「『町の本屋以外の動きを妨害して、本屋は得するだろうが、本を買う側は便利になる
のを邪魔されているのでは?』その通りだ。」P93
上記は第三章「闘争する町の本屋」からだが、そんな側面もありながらの公取の指針については理解もできるのだが別の流れはなかったのかとも考える。
第十一章「ネット書店」
Amzonnに敗れたbk1 の流浪の末の消滅は大河ドラマを見ているようだった。
そして私が Amazon を使わない理由は全くもって以下のとおりである
「だが従業員や取引先を消耗させてまで効率化を徹底し、コストを削り、複雑な節税
なテクニックを駆使して現金の流出を最小化し、浮いた資金を顧客の利便性を高める
投資に回してきたから、国内事業者よりも強い」P292
もちろんこれは私的な感情であって、注文があればその先の読者の為にも可能な限りの出荷を出来るようにするのは言うまでもない。


