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渡辺洋介
渡辺洋介
渡辺洋介
@yskw0514
専門書出版業/本の記憶と記録とメモ/港町在住/ふたり暮らし/1999〜2015パラエストラ東京所属/どうぞよろしくお願いします。
  • 2025年5月22日
    少年が来る
    少年が来る
    洗濯機が回る規則的な音を聞きながら台所の床にしゃがみ込んでいると、またうとうとと眠気が訪れた。P103
  • 2025年5月21日
    少年が来る
    少年が来る
    市外バスの窓越しに、春の日の田んぼが見えたんだ。姉ちゃん、まるで世の中全部が金魚鉢だよ。澄んだ水を張った田植え直前の田んぼに、空がどこまでも映っていたんだものP70
  • 2025年5月20日
    少年が来る
    少年が来る
    真っ暗なこの茂みでぎゅっとつかんでいなくちゃならない記憶が、まさにそれだったんだ。僕がまだ体を持っていたその夜の全てのことP69
  • 2025年5月19日
    少年が来る
    少年が来る
    フレーズとフレーズがぶつかって生じる微妙な不協和音に、君は息を殺して耳を傾けた。そうすれば国とは何なのかを理解できるかのように。P23
  • 2025年5月19日
    旅する練習
    旅する練習
    小説家である「私」と中学受験に合格したばかりの姪「亜美」(サッカー少女)のふたりによる利根川徒歩旅行のロードノベル 途中挟まれる「私」による風景描写が美しい。 自分は小説を読むときは物語を味わうというよりは風景描写に心惹かれるところがあり脳内でその風景を浮かべながら旅をしているといえばよいだろうか。 「明日は雨になるそうだが、低いところの空の狭い一帯だけちょうど雲が途切れている。大きなカーブを描いた利根川の広い水面はその下に地平線をつくり、その上にまだ暮れるというには少し早そうな太陽がある」P111 「あの人おなじようにいつまでも強い風が川面を白く波立たせ、対岸には此岸と似た低い土手と、奥には小高い森が見える。木立が途切れて空の降りたところにだけ送電線が目に映る。水面すれすれを滑りかつ翻りながら何羽も川を渡ったツバメが宙へ駆け上がる」P150 こんな風なスケッチが出来るようになりたいものだ。 そして本書には仏教的な用語も多く書かれているがひとりの人間が確かにこの世に生きていた生の痕跡でもあるのだな。
  • 2025年5月16日
    ケアと編集
    ケアと編集
    存在と非存在の分かれ道で、その体を必死に存在方向に傾けようとして、ギリギリのところで世界に色を付けている無名の人たちが居るということだ。P189
  • 2025年5月15日
    ケアと編集
    ケアと編集
    モノサシを変えるーこれは本書でずっと考えてきた「編集的方法」にほかならない。P170
  • 2025年5月14日
    ケアと編集
    ケアと編集
    依存症者の底にあるのは孤立心であり、それがさまざまな依存を引き出しているのならば、むしろその孤立そのものにターゲットを絞り「どんなことがあっても関係は断ち切らない」という積極的なケア的関与には大きな意味があると思う。P146
  • 2025年5月13日
    ケアと編集
    ケアと編集
    「こころ」とか「精神」といったものは、こうした手段化・対象化に敏感に抗うものらしい。P96
  • 2025年5月12日
    ケアと編集
    ケアと編集
    具体的な対人関係において、「先に」「ちょっと」信じる。この最初の一歩によってお互いのあいだに、信じるがやってくる。P84
  • 2025年5月12日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    2025 年を代表する 1 冊だろう。 新書ながらものすごいボリュームで読み応え充分。データバッチリ 自分語りで恐縮だが、書店(アルバイト)→取次(正社員)→版元(正社員)と経験しているので各々の立場が骨身に沁みついている。 なので、条件闘争等には触れずにおく。 分岐点となったのはやはり 1979 年 8 月の公正取引委員会から示された 「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」だろう これにより 「書店と取次、出版社は業界団体同士での交渉ではなく、各社が個別に契約するほかなくなる。結果、中小書店は出版社や市場を寡占している大手取次との要件闘争が事実上不可能になった。」P95 ただ以下の面から見るとまた違った印象も受けるのではないだろうか 「『町の本屋以外の動きを妨害して、本屋は得するだろうが、本を買う側は便利になる のを邪魔されているのでは?』その通りだ。」P93 上記は第三章「闘争する町の本屋」からだが、そんな側面もありながらの公取の指針については理解もできるのだが別の流れはなかったのかとも考える。 第十一章「ネット書店」 Amzonnに敗れたbk1 の流浪の末の消滅は大河ドラマを見ているようだった。 そして私が Amazon を使わない理由は全くもって以下のとおりである 「だが従業員や取引先を消耗させてまで効率化を徹底し、コストを削り、複雑な節税 なテクニックを駆使して現金の流出を最小化し、浮いた資金を顧客の利便性を高める 投資に回してきたから、国内事業者よりも強い」P292 もちろんこれは私的な感情であって、注文があればその先の読者の為にも可能な限りの出荷を出来るようにするのは言うまでもない。
  • 2025年5月9日
    ケアと編集
    ケアと編集
    なにより当人がもっとも「克服すべき」と思っている問題に別の光を与えること。それは編集という仕事そのものだと思う。P64
  • 2025年5月8日
    ケアと編集
    ケアと編集
    ケアはしばしば「主体と客体を分けたうえで何かを成す」というような近代的な設定の外て行われるのだ。P45
  • 2025年5月7日
    ケアと編集
    ケアと編集
    こうした人たちが世界のバグを終始補修して、手入れをしている。ケアはこうして、「今、ここ」を成立させている。P10
  • 2025年5月5日
    台湾のデモクラシー
    「隙間」 高妍著を読んで台湾の今を知るために手に取った一冊 「隙間」 P.18 「それは台湾、いや正しくは『中華民国』の国慶日であった。」 「私にとって受け入れがたい旗が忠考東路にずらりと掲げられているのを眺める。」 この場面では台湾国旗「青天白日満地紅旗」(せいてんはくじつまんちこうき)が描かれている。 自国の国旗をなぜ受け入れがたいのか?中国本土とは異なる独立国としてのアイデンティティを示すシンボルではないのか?と疑問に思っていたが、本書によってその疑問が解決した。 「二十世紀後半に世界各地で起きた民主化『第三の波』の中でも、権威主義時代の支配者が、民主化後もそのまま二大政党の片方として居残る例は稀である。 しかも、旧支配政党のシンボルをそのまま国のシンボルとして使い続けている。 青天白日満地紅旗と呼ばれる中華民国の国旗と国民党の党旗のデザインは、ごくわずかしか違いがなく、素人目には区別がつかない。」(P.14) 重要だと感じた視点 「本土化とは中国大陸化のことではなく、台湾を本土として生きていく台湾化のことである。<中略> 台湾におけるメディア分断は、アメリカのような『保守』『リベラル』の分断とは異なる。 根底にあるのは、あくまで『中国ナショナリズム』と『台湾ナショナリズム』というアイデンティティの政治的対立軸である。」(P.127) 「1950年代半ば以降、学校教育などで使用を禁じられ、国語を中国語に統一された経緯から、台湾語は国民党支配への反発を象徴する土着魂の記号としての性質を持つようになった。」(P.154) 終章 「デモクラシー未来図」 著者の日本に向けたメッセージだと受け止めた。 「それは、そう遠くない過去に政治を実際に市民が変革した集合的な経験があることと無関係ではないだろう。<中略> 社会運動によって政府を作り上げた経験があれば、『自分たちがプレイヤーで、政府をコントロールする主体だ』という意識を持ちやすい。 だからこそ、災害やパンデミックの危機においては、一時的に権限を集中させても、全体主義に戻ることはない。」(P.276〜277)
  • 2025年5月2日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    だが従業員や取引先を消耗させてまで効率化を徹底し、コストを削り、複雑な節税テクニックを駆使して現金の流出を最小化し、浮いた資金を顧客の利便性を、高める投資に回してきたから、国内事業者よりも強い。P292 新刊部決
  • 2025年5月1日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    しかし高齢化がすすむ町の本屋は「TS流通協同組合の最大の課題は書店のPC操作」「書店側のパソコン習得にかかっている」て書かれるレベルだった 中略 TS組合は2018年に解散する。P.287
  • 2025年4月28日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    たが、書籍商組合側が戦前、「客がすぐ行ける低層階に本屋を置くな」と迫った歴史を見るとシャワー効果はあとづけだったのではないか。P.214 新刊部決
  • 2025年4月25日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    町の本屋と郊外型書店が「本屋同士」共同歩調を取るムードは高まらなかったのだ。p.165 新刊取次搬入
  • 2025年4月24日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    外売衰退によって、書店員は「店に客が来るのを待つ人」という固定観念が広まってしまった。P.144
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