
めい
@meiji_chan
前言撤回。
周囲から「美しい」という言葉で称賛されまくる天然な天才。誰からも習ったことがないのに「センス」ではなく、プロが舌を巻くほどの明確な「技術」が先天的に備わっている天才。
どこか宙を見つめがち。天を仰ぎがち。芸術を介して会話しがち。
幼児のような言葉遣いをし、周囲の人は「ゾッとする」。
バルトーク、ムソルグスキーの展覧会の絵。
赤毛の女王様。
著者好みの美貌の天才に向けたバリエーションの少ない美辞麗句に次ぐ美辞麗句。
ただの『蜜蜂』のバレエバージョン。
外連味とかじゃなくて、題材も表現も、引き出しが少ないだけだと理解しました。
美しさを表すために、こんなに何度も「美しい」という言葉を使う小説家が存在することに驚き。
「おきゃん」「アホはアホじゃないのさ」「なんつう図々しい」…所々に出てくるテンションの高い昭和のおばさんみたいな言い回しも恥ずかしい。
今時無料で読めるマンガやいわゆる「なろう」でも、もっと豊かに表現している作品はある。10年かかったそうだけど、まるっきりこの方の手癖ではなくて?
「美形でちょっと天然でミステリアスな天才」というオリキャラを、別のオリキャラに褒めさせまくって喜んでるだけ。
登場する振り付けも確かに「文を読むと浮かぶ」けれど、よく考えたら当たり前。むしろ『蜜蜂』の方が目に見えない音を描いている分、驚きがあった。その上で、既にあらゆるミュージカルやバレエで使われているまったく新しくもなんともない、よくある振り付け。全然天才じゃない。この方が描いているのは天才ではなく、天才設定の萌えキャラ。
突然のBLシーンも「BLが萌えるから」以外の意義なし。大昔の腐女子ってこんな感じだったんでしょうね。
音楽のことも、この世に実在する天才と呼ばれる人々のことも、バレエのことも、ナメないでいただきたい。
平易な文なので、読書に苦手意識がある人や昔の少女漫画しか読んでこなかった人には「衝撃的なほど美しい文章」に感じられるかも。小難しい文章ではなく誰でもわかる文体なのは素晴らしい。この方がプロの小説家としての力を出されていると感じられる部分はそこだけ。
小学3年生の頃にこの本と出会いたかった。