m "影犬は時間の約束を破らない" 2025年5月12日

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@lunedeau27
2025年5月12日
影犬は時間の約束を破らない
影犬は時間の約束を破らない
パク・ソルメ,
斎藤真理子
この小説をどう捉えたらいいのかと思いながら読み進めていたが、途中で先に翻訳者・斎藤真理子さんの解説を読み、続きを読み始めたら、なんかすごくしっくりくる…! 解説に、原著もあえて文法的正しさから離れている部分がある、という趣旨のことが書かれていて、合点がいった。そう、翻訳の問題なのかと思ってしまってましたすみません。 それで、その文法のことや、斎藤さんのめちゃくちゃ的確(としか思えない)解説で背景や解釈の方向をつかんでから読むと、厳密な論理性みたいなものを追わなくていいんだろうなと感じる。そこに立ち上がってくる空気の塊や登場人物の思念みたいなものを味わっていけばいいんじゃないかと。著者があえて文法的正しさから離れるのは、そうすることでこそ立ち現れるものを表現としているんじゃないかと。 そして斎藤真理子さんという方の解説文は、まったく個人的な思いを挟んでいないかのようにシンプルな文字通り「解説」以外の何物でもなく、ある種の無骨ささえ感じさせるのに、なんでこんなに読ませるのか。斎藤マジックを体験するのは二度目。えーーご著書はどんな感じなんだろう。
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