
はるにれ
@Elms1130
2025年5月13日

アイヌもやもや
北原モコットゥナシ,
田房永子
読み終わった
読書メモ
図書館本
まず、副題がいい。
見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。
アイヌのルーツを持つ2人(東京に住んでいる高校生と北海道の自治体で働いていて家族もいる社会人)を漫画パートの登場人物の中心に据えて、今を生きる彼らの姿を描くことで、アイヌのルーツを持つ人にも持たない人にも、手に取りやすく、心に響く本になっているのではないか。ルーツを持たないマジョリティの理解の助けになるだけではなく、ルーツを持つマイノリティの気持ちの支えになるように考えられている。両方の立場の人を「わたしたち」にするために。
漫画もあって、そんなに分厚い本ではないけれど、「アイヌである」というアイデンティティの問題、マジョリティの無自覚な優位性、マジョリティがすべきこととその際の注意点、他のマイノリティグループとの関わりなどについても、しっかりと解説されていて、初心者としては助かった。





