
ハム
@unia
2025年5月13日

読み終わった
「現れる存在」を読んだ流れで手に取った本書は、心の解像度を上げるうえでかなり役立った。
〈心の働きとは、「状況に応じた行動の発現を支えるために、余計な行動の発現を『潜在させる』こと」と言いかえる必要がある〉
余計な行動を抑制するっていう考え方はなるほどと思う。そうでなければ五感の刺激にいちいち反応して認知負荷でパンク、思考回路はショート寸前みたいになるんだなと。
その視点でダンゴムシと向き合うと、ダンゴムシにも心はあると言える。
ダンゴムシの行動を観察し、様々な実験から見えてくる事実を考察していく過程は科学の醍醐味が詰まっている。
なによりダンゴムシを通した心の科学を「待ちの科学」として取り組む著者のスタンスに心を打たれた。
人間至上主義に驕ることなく対等に向き合う態度は現代社会のいかに「待ち」を減らすかにコミットする態度に一石を投じるようでもあり、好感が持てた。

