
ゆい奈
@tu1_book
2025年1月23日

走れメロス改版
太宰治
読み終わった
『東京八景』の良さったらない。つらくて、かなしくて、どうにでもなってしまえと、ここがどん底だとおもい、おもってもそこはまだどん底ではなくて、さらに底があり、そこからちょっとずつ、ちょっとずつ、じぶんを取り戻し、このままではいかんと奮い立たせ、「僕は、こんな男だから出世も出来ないし、お金持にもならない。けれども、この家一つは何とかして守っていくつもりだ」と妻にしぼりだした言葉に、気づけば泣いていた。
「人間のプライドの窮極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか。」
弱さをもちつづけることのできる強さ。誰にだってできることではない。『東京八景』を読むと、自然と太宰のことをもっと知りたいと願ってしまう。もっと読みたいな。もっともっと。再読してみえてくるものがあるんだよな。それでまんまとハマって、きっと熱狂してしまう。案の定、ちくま文庫の全集の値段なんかを調べて、太宰貯金でもはじめるか、と思ったりしている。
(日記)
娘がきょうはじめてじぶんの影をみつけた。
影に手を振っている姿をみて、なんて素敵な、とおもった。





