
K
@weitangshaobing
2025年5月14日

グレーとライフ
太田尚樹
読み終わった
【好きなところ引用】
何かをかっこ悪いと思う時や、面白くないと思う時は、そこにあるかっこよさや面白さが見える位置に、自分が立っていないだけだ。
自分のこれまでを振り返ると、 LGBTQの「困りごと」を知りたがる人たちは、「悲劇」を求めてきたように思う。それはたとえば、セクシャルマイノリティはいじめに遭う確率が高いとデータによって証明されているということや、差別によって希望の職につけない当事者がいるということだ。 だが、「困りごと」というのは、長い坂のようだと僕は思う。その前に立つと、誰もが迂回できる道を探す。あるいは、誰かや何かに背中を押してほしいと願う。だが、そのどちらも選べない時、人は「笑って上る」しか選択できない。苦しさに飲み込まれぬように笑って、「いい運動になる」と意味を見いだしながら一歩ずつ前に進むしかない。セクシャルマイノリティとして生きるということは、この「笑って上る」ことの連続だと僕は思う。
かわいそうな思いをしている人はたくさんいるけれど、だからと言ってその人は「かわいそうな人」なのだろうか。誰かを「かわいそうな人」にするかどうかは、いつも自分にかかっているのだ。
ない方がよかった過去も、あってよかったと思えてしまう日がくることは、人生の一つの神秘だと思う。
