
🍻
@far_away_
2025年5月15日

あなたとなら食べてもいい
千早茜,
柚木麻子,
深沢潮,
田中兆子,
神田茜,
遠藤彩見
読み終わった
食べ物が出てくる文章が好きで期待して読んだけどそんなに好みではなかった。千早茜さんの文章はめちゃくちゃ好きなのに結局男女の関係性の話で「どうでもいいな」と思ってしまう、悪い癖!この中では柚木麻子さんのところが好きでした
🔖 こうやって暮らしていく延長に、突然幕がすとんと落ちるように死が待っているとしたら、それはそれでとても楽なことのような気がする。誰にも会わずにレビューを方々に送信するだけの日々には、うずくまって泣き出したいような瞬間が何度も訪れる。誰かが私を見つけてくれないか、どんなにくだらない用事でもいいから、訪ねてきてくれないか、と祈るように思う。でも一方で、あらゆる人間関係やわずらわしさから離れてたゆたう毎日は穏やかといってもいい。職場が消滅する寸前、たまりにたまった組織の膿みが吹き出すかのような、永久に思い出したくない場面に何度も遭遇した。この人こそはと思っていた相手が、私のことを替えのきく装置の一つとしか見なしていなかったことも発覚した。情けないことに私はひどく傷ついて、もう誰からも傷つけられたくなくて、社会人になってからは忌み嫌っていたはずのこのマンションに、仕方なく逃げ込んだのだと思う。自分の意志で選び取った暮らしの延長にあるかもしれない終わりの形を、おおざっぱに悲劇とくくられることには抵抗がある。今一人で死んだら私の人生は失敗なわけ?じゃあ、どんな死に方をしたら勝者なわけ? p.205