あなたとなら食べてもいい

20件の記録
- 🍻@far_away_2025年5月15日読み終わった食べ物が出てくる文章が好きで期待して読んだけどそんなに好みではなかった。千早茜さんの文章はめちゃくちゃ好きなのに結局男女の関係性の話で「どうでもいいな」と思ってしまう、悪い癖!この中では柚木麻子さんのところが好きでした 🔖 こうやって暮らしていく延長に、突然幕がすとんと落ちるように死が待っているとしたら、それはそれでとても楽なことのような気がする。誰にも会わずにレビューを方々に送信するだけの日々には、うずくまって泣き出したいような瞬間が何度も訪れる。誰かが私を見つけてくれないか、どんなにくだらない用事でもいいから、訪ねてきてくれないか、と祈るように思う。でも一方で、あらゆる人間関係やわずらわしさから離れてたゆたう毎日は穏やかといってもいい。職場が消滅する寸前、たまりにたまった組織の膿みが吹き出すかのような、永久に思い出したくない場面に何度も遭遇した。この人こそはと思っていた相手が、私のことを替えのきく装置の一つとしか見なしていなかったことも発覚した。情けないことに私はひどく傷ついて、もう誰からも傷つけられたくなくて、社会人になってからは忌み嫌っていたはずのこのマンションに、仕方なく逃げ込んだのだと思う。自分の意志で選び取った暮らしの延長にあるかもしれない終わりの形を、おおざっぱに悲劇とくくられることには抵抗がある。今一人で死んだら私の人生は失敗なわけ?じゃあ、どんな死に方をしたら勝者なわけ? p.205
- しおり@Kaffee58882025年3月25日読み終わった幸せな香りがする、とは言えない作品たち。 そう、これは「あなたとなら」食べて「も」いい、のだ。(当てはまらない作品もあるけれど。) 私は食べるということは生きること、だと思っている。どんなに辛くてもお腹は空くし、ごはんを食べられる間は生きていられる。その食事が1人で暮らすようになって、だんだんおろそかになる。それは自分を雑に扱うことと同じ。誰かと一緒にごはんを食べるのがおいしかった日々が愛おしい。たまには誰かを誘ってみようかな。 この作品たちはたまにちょっとだけ後味が悪い。それでも食べちゃう(読んじゃう)。ただの日常の延長にある普遍的な食事の話だから何も起こらないのは当たり前なのだ。だから、これを読む時はなーんも考えたくない時とかをお勧めする。