
doji
@doji_asgp
2025年5月15日

なぜふつうに食べられないのか
磯野真穂
読み終わった
心理学だけでは説明できないこともあるだろうし、診断名だけでは括れない苦しみや寛解、治癒があることを、文化人類学の枠組みから語られているのが新鮮だった。とはいえ過度に文化人類学としての専門性を上げすぎずに、当事者たちの語りからなにがみえてくるのかを掬い上げる視点からは、どこか当事者研究的なものも感じる。食べるという意味の輻輳性を、社会やメディアが健康や美の視点からそれらをばらばらにして扱ってしまうこと。手ごろに手に入る食事は健康によくないし、自炊できるかどうかはライフスタイルと労働に左右される。ほんとうに、ふつうに食べるのはむずかしいと思う。


