
綿
@shelf_soya
2025年5月17日

トラウマ
宮地尚子
読み終えた後に考える
周囲のトラウマを負った人にどのように関わっていくか、ただそばにいることのむずかしさについて想像しつつ、求められていない段階で、相手が望むものを察しようとして能動的に働きかけるわけではなく、傷を負った人のそばにただいることの役目って、いつか開かれるかもしれない本として本棚に置かれておく、みたいなことにも近いのか、と想像する。可能性としての。人間は本じゃないので、全然うまくないたとえかもしれないけど。
読みながら『家の歴史を書く』『私が諸島である』『あらゆることは今起こる』といった学術書、学術書寄りのエッセイで描かれていたことや、実際取り上げられていた作品も含めてトラウマを描いた小説や漫画作品、特に萩尾望都やよしながふみの漫画をいま読んだらまた違う切り口で読めるのではないか、と想像する箇所が多数あった。



