もぐもぐ羊 "私の最後の羊が死んだ" 2025年5月17日

私の最後の羊が死んだ
すごく読みごたえがあって一気に読んだ。 河﨑さんが羊飼いになったきっかけから、ニュージーランドにワーキングホリデーで学びに行き、酪農家の実家の敷地で羊を飼いはじめてから、やめるまでの15年間が凝縮していた。 羊飼いをしながら実家の酪農作業もし、マラソンをし、小説も書くなんてバイタリティがある人だな〜と思った。 また動物(家畜)との心の距離の取り方が絶妙で、子どもの頃から家畜が側にいる環境で育ったからこそだと思う。 自分が育てた羊を屠畜することに躊躇いはないか?という質問は何度も受けてきたと思うが、その羊は肉になってお金になる経済家畜として育てているので、肉になっておいしく食べてもらえることの方が大事(大意)とのこと。 またお兄さんが銃で仕留めた鹿の解体も河﨑さんの担当で、手際よく解体していてかっこよかった。 北海道で酪農や農業をしていると害獣としての鹿を駆除が必要になのだろう。 鹿は販売しなければ個人が解体して食べても良いことになっているという。 小説を書いて生きていく決意をしてから、飼っていた羊を手放したり、最後の2頭の屠畜に立ち会って、羊飼いの仕事を終えた河﨑さんの今後の小説が楽しみだし、エッセイももっと読んでみたい。
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