本屋lighthouse "ソングライン" 2025年5月17日

ソングライン
ソングライン
ブルース・チャトウィン,
Bruce Chatwin,
北田絵里子
画商をしている白人が「絵のもととなっている物語」を執拗に訊ね、制作者であるアボリジニによって断片的に(つまりおそらく積極的には明かしたくはない心持ちで)語られるそれを都合のよい解釈で繋ぎ合わせ満足する、というような場面。なにかよさげな「物語」がなければ作品を売ることはできない、というのはたしかに正しいことなのかもしれないが、他者に「物語」を要請することの暴力性はそれ以上に認識される必要があり、本を作り売ることで生計を立てていることについて、考えさせられる。コンテンツにすること、というありかたにどうしても内在する危険性。なにもかもがコンテンツにさせられ、コンテンツにしなければお金を得ることもできない現代社会、もしくは資本主義社会。などなど。
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