
tomo015123
@asayou
2025年5月17日

伯爵と三つの棺
潮谷験
読み終わった
これはすごく面白い。フランス近くの小国を舞台とした手記。フランス革命直前とういう時代背景もあり科学や組織的な捜査がまだ存在しないような中で発生した殺人事件を地主である伯爵が推理するというもの。タイトル通り容疑者は伯爵に城を任されていた三つ子で伯爵自身も殺人現場を目撃しているのだがなんせ三つ子見分けがつかない。謎は二転三転し最後に殺人事件が発生したそもそもの背景と皆が隠し持っていた真実が明らかになる。貴族と民衆、フランス革命を背景に格差と命の価値といった哲学的なテーマにまで話は及ぶ。この小説何が良いって登場人物みんなに好感を持てる。開始数ページでもっと活躍を見たくなる多彩なキャラクターが次々と描かれ、期待を裏切らないまま結末へ向かう。個人的には権力者なのに偉ぶらない愉快な公爵と官能小説を書き上げたい子爵夫人がツボ

