
tomo015123
@asayou
- 2025年7月6日本と鍵の季節米澤穂信読み終わった相変わらずビターな・・・。他の作品と同じく主人公達は大人びていて知識深く洞察力にも優れる。ただ人の悪意に対して敏感な一人と逆に人の善意を信じる一人が一緒にいるのだから、微妙なスタンスの違いや高校生ならではの行動や言葉の限界に縛られてでも時々は飛び越えて、相互にあいつはすごいやつだと思いながら、その期待通りの人物であってほしいと呪いながらでも生きていく以上は他人からの影響は受けるし互いに影響を与えるし誰かに影響を与えるしそれは自分の認識を超えたものなのかもしれないけどだからこそ守れるルールは守れるうちは守っておくという指針はかけがえのないものの様に思える。
- 2025年6月29日そして誰もいなくなるのか小松立人読み終わった死までのタイムリミットが設定された主人公たちの間で何故か殺人事件が発生する特殊設定ミステリ。主要人物は数人しかいないのに何故殺人が発生しているのかが最後の最後までわからないし犯人も全くわからなかった。シンプルな設定に動線もかなり丁寧で本当にすごい。メタミステリの一面もある中主人公の自虐がすごくてそこはちょっと笑ってしまった。
- 2025年6月25日名探偵に薔薇を城平京読み終わった赤子の脳髄から作られる完全無欠の毒薬、小人地獄を中心に発生する不可解な事件に名探偵が挑む。事件は理屈がなかなか通らない事象に探偵の連想と発想で道筋を示して解決に繋げるという流れで、虚構推理でも感じていたがストーリーを紡ぐのが本当にうまい。事件そのものと合わせて、名探偵が背負う苦しみ、宿業に焦点が当てられ息ができない様な緊迫感で走り切る。
- 2025年6月19日新しい法律ができた日野瑛太郎,朱野帰子,真下みこと,講談社,金子玲介,阿部智里読み終わった「新しい法律ができた」から始まる短編を寄せたアンソロジー。お気に入りは人工知能搭載のぬいぐるみを禁止する法律ができる「ルパちゃん」と「殺人罪」が新たに制定されることで逆説的に他者に悪意をぶつける世界が招かれる「もうディストピア」。「つるべを取られて」のNeo Twitter (旧X)という単語は笑った。新たな法がもうすぐ公布される「革命夜話」も面白かったけどこれは長編で読みたかったな。
- 2025年6月18日
- 2025年6月15日世界の終わりの最後の殺人スチュアート・タートン,三角和代読み終わったガチガチの特殊設定、歴史ものときて3作目はディストピアよりのSFミステリ。世界におそらくただひとつ残されたバリアに囲まれた島。バリアの周りには霧に紛れ生物を食す無数の虫。そのバリアを貼った始祖が殺されたせいで霧と虫がどんどん迫り何とか犯人を突き止めないと人類が滅亡してしまうというシチュエーション。島民全員が殺人があった夜の記憶を消されており、殺人の動機になりそうなことを発見するたび自分を犯人と思い込む。何なら主人公ももしかして自分がやったか・・・?と思いながら推理している。島に残る2人の始祖もこれ自分やったんだろうな、と思いながら行動しているため、主人公にはまともな情報がなかなか集まらずまともに推理させてくれない。そんな中でも主人公足でどんどん情報を拾いいったい誰がどのような目的で殺人を犯したのか追求するのだが、主人公の妥協を許さない推理がとても魅了的。前2作と異なり2段組ではなくなったが、情報量の多さと設定の緻密さは相変わらずで確かな満足。
- 2025年6月5日入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてくださいギギギガガガ,寝舟はやせ読み終わった隣に住む謎の怪異が「友だちの話」として怖い話をしてくるという変わったシチュエーションの短編集。主人公もだいぶイカれており状況に適応するばかりか他の怪異ともなんとなくご近所付き合いをしている。一つ一つの話も今まで聞いたことがない話ばかりで面白かった。
- 2025年5月17日伯爵と三つの棺潮谷験読み終わったこれはすごく面白い。フランス近くの小国を舞台とした手記。フランス革命直前とういう時代背景もあり科学や組織的な捜査がまだ存在しないような中で発生した殺人事件を地主である伯爵が推理するというもの。タイトル通り容疑者は伯爵に城を任されていた三つ子で伯爵自身も殺人現場を目撃しているのだがなんせ三つ子見分けがつかない。謎は二転三転し最後に殺人事件が発生したそもそもの背景と皆が隠し持っていた真実が明らかになる。貴族と民衆、フランス革命を背景に格差と命の価値といった哲学的なテーマにまで話は及ぶ。この小説何が良いって登場人物みんなに好感を持てる。開始数ページでもっと活躍を見たくなる多彩なキャラクターが次々と描かれ、期待を裏切らないまま結末へ向かう。個人的には権力者なのに偉ぶらない愉快な公爵と官能小説を書き上げたい子爵夫人がツボ
- 2025年5月17日伯爵と三つの棺潮谷験
- 2025年5月8日鬼の話を聞かせてください木江恭読み終わったSNSに寄せられた「鬼にまつわる話」を取材するという名目で、取材の場で語られた要素からその話に妥当性の高いロジックを提示するミステリ短編集。どの登場人物も「鬼にまつわる話」がその後の人生に大きな影響を与えており、心にモヤを抱えながら暮らしている。そこに示される新たな可能性。知らなければ明日からも同じような1日を過ごすことができたのにね。
- 2025年4月28日小説野崎まど読み終わった野﨑まどの作品でよく語られる、モノを作る意味、作るとは、というテーマがとうとう小説そのものに向いた集大成のような作品で、これまでの作品を通じてきたテーマが言語化されているように感じる。とはいえ軽妙な語り口は健在でするすると読み進められた。読むだけじゃダメなのか。読んで得たものを外にださないとダメなのか。宇宙の流れから人の内側に、そして嘘につながっていき全ての嘘、小説を愛する人を肯定するような、優しいメッセージが内側に沁みる。
- 2025年4月11日ブレイクショットの軌跡逢坂冬馬読み終わったブレイクショットはダブルミーニングでビリヤードのファーストショットと架空の車種を指す。まさにビリヤードの玉が互いに連鎖して盤面を跳ね回るように複数の人生が交差し影響を与えあう。ドミノののように一つのきっかけが連鎖してストーリーが展開するのではなく、複数の要素が互いに影響を与え合っていく人の世の複雑さ。様々な人生、野望、挫折。時には理不尽な事故や他者の悪意に晒されながらも人生は続き、過去は無かったことにはならない。それでも自分が本当に手に入れたかったものは何なのか、身を置きたい未来はどこなのか、なりたい自分はどのような姿か。その答えは、納得は自分で見つけるしかないんだ。重奏的で確かな満足。
- 2025年4月6日楽園の楽園伊坂幸太郎読み終わった伊坂作品に期待する巧みなストーリーテーリングを逆手に取った短編といえるのでは。物語はクライマックスから始まり魅力的キャラクターの活躍はダイジェストで流される。物語という巨大な構造を荘厳な自然で圧倒する様は気持ちが良い。
- 2025年3月18日アリアドネの声井上真偽読み終わった盲目、聾唖の女性をドローンで避難誘導する話。かなりシンプルな筋書きながら主人公のトラウマや緊迫のドローン操縦、不自然なほどスムーズに救助が進む女性への障害詐称疑惑等々どんどん読ませる。面白かった!
- 2025年3月10日死んだら永遠に休めます遠坂八重読み終わったミステリと思って軽い気持ちで読んでみたらなかなかの恐怖体験だった。メンタルが不安定な時に読むと間違いなく持っていかれる。多くの社会人が自己評価と現実のすり合わせに日々磨耗していると思うがこれは・・・
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