Reads
Reads - 読書のSNS&記録アプリ
詳しく見る
tomo015123
tomo015123
@asayou
  • 2026年5月16日
    一目五先生の孤島
    陰惨な過去を持つ呪われた孤島で発生した大量殺人を超常現象を担当するチームが調査するといった筋書。舞台は現代だが、ばりばり幽霊が干渉してくる。ラップ音なんて返事代わりだしポルターガイストががんがんものをぶっ壊してくる。しかも肝心の連続殺人も中国の伝承と怪談の二重に見立てられた残酷なものだししっかり密室になっている。ここまでくると呪いの力も現実味を帯びてくるが、謎は謎でロジックがしっかりしているのが逆に怖い。呪いの力自体もしっかりあるし。特に恐ろしいのが殺人の動機でこれを動機にされたら凡人にはなにもいえないよという気分。視点人物が探偵でもワトソンでもなく、探偵に張り合うミステリ愛好家(霊感マックス)というのも面白かった。ぜひシリーズは続いてほしいが、どんどん治安が悪くなりそうだ。
  • 2026年5月13日
    封鎖館の魔
    封鎖館の魔
    この作者には珍しく直球のミステリ。館ものにしては屋形の形状が歪すぎて全然想像ができないのと図面が終盤にしか提示されないのはアンフェアな気もするが。 そしてまさかのシリーズものだった。探偵は解決編にしか現れないため単独でも十分楽しめるが、抹殺ゴスゴッズ以来の再開だったのでちょっと懐かしい。あいかわらず猟奇的な事件に巻き込まれる探偵だ。 ハウダニットものとしてみると斬新な動機だったが、この作者自体が斬新さのかたまりみたいな本ばっかり書いていることもあり常識の範囲内に見えてしまった。そんなわけないのに。
  • 2026年4月29日
    盾と矛
    盾と矛
    頭脳労働担当の草津と肉体労働担当の霧島という分業制の探偵コンビがかつての友で完全犯罪コーディネーターとなった氷見を止めるべく奮闘する連作短編集。事件自体は草津の推理力が度を超えているのであっさり解いてしまうのだがそこから氷見が後出しで証拠の捏造や尤もらしい真相を用意してしまうため探偵側も「なんでもあり」の真相究明合戦が始まってしまう。そもそも氷見の「最適解がわかる」という出鱈目な性質が探偵側を凌駕しているため常に後手に回るうえ、探偵側は真相がわかるだけではダメで、犯人を公的な場で裁かせるという信条を持つため常に不利。単なるミステリとしてではなくそこからさらにいかにして犯人を追い詰めるかという点が味になっており面白い。
  • 2026年4月15日
    黒と愛
    黒と愛
    あいかわらずのごった煮。奇妙な建築物のなかで密室殺人が発生。しかも外は大雨でクローズドサークルという王道のシチュエーションだが、ミステリより遥かに大変なことが次々起き正直謎なんてどうでも良くなる。とおもったら最後はきちんと散りばめた要素を回収してオチをつける感じ律儀なのか急に我に返ったのか。あと表紙が怖い。
  • 2026年3月28日
    七つの海を照らす星
    家庭では暮らせない事情を持つ子ども達が暮らす児童養護施設、七海学園を舞台にした連作短編ミステリ。続編を先に読んでしまっていたため若干のネタバレを踏んだ上でもあったがそれでもしっかり騙された。 続編もそうだが文体がポップで主人公も根明な人物なので明るい作風で物語は進んでいくが、ところどころでぐっさりと刺してくる。現実の制度の瑕疵であったり消せない傷であったりを含めて現実に対応する登場人物達にはとても好感を覚えるし、追いたくなるシリーズだと思う。こうなると順番通りに読みたかったな・・・。そもそもシリーズものとは知らず・・・
  • 2026年3月14日
    薔薇の名前[完全版] 下
    薔薇の名前[完全版] 下
    結構なボリュームだったけど読んだ価値はあった。各人が信仰する真実には差異と深い断絶があり、時にはそれが大きな禍すらも招くということが丁寧に書かれていたように思う。 恐れた方がよいぞアドソよ、預言者たちや真実のために死のうとする者たちを。なぜなら彼らこそは、往々にして、多くの人々を自分たちの死の道連れにし、ときには自分たちよりも先に死なせ、場合によっては自分たちの身代わりにして、破滅へ至らしめるからだ。 一連の原因の鎖が、原因から派生した原因の鎖が、相互に矛盾する原因の鎖がつぎつぎにたぐられていくと、それらが勝手に独り歩きをして、初期の企みとは無縁の別個の諸関係を生み出してしまうのだ。 本来ならばこの宇宙に秩序など存在しないと思いしるべきであったのに。
  • 2026年2月14日
    ループ・オブ・ザ・コード
    かつて行われた最悪の戦争犯罪に蓋をし新たな国としてリスタートするべく過去の記録が完全に抹消された国で発生した、謎の奇病と民族大虐殺のため開発された兵器を用いたテロリズムに巻き込まれた国連職員の話。 下敷きには反出生主義があり同性愛者かつ家族のつながりひいては自身が子を育てるということに肯定的になれない主人公が子を成すとはどのようなことか、自身のつながりを未来に残すとはどういったことかというテーマに向き合う。 SF要素も謎解き要素もありながらアクションシーンやカウンセリング知識なんかもふんだんに盛り込まれており、長文だが飽きずに読めた。 お気に入りの一文は「人間の想像力には限界があります。常に期待よりも貧しく、自分ひとりの力では未来を想像することができないんです。子供達だけが、それを連れてきてくれる。」
  • 2025年12月7日
    虚構推理 忍法虚構推理
    虚構推理 忍法虚構推理
    化け物、妖達の知恵の神として虚構を綴って秩序を守る岩永と不老不死という秩序の対極に存在する九郎の活躍を描くシリーズ最新作。 今回の短編集は九郎にフォーカスをあてたものとなっており、岩永の仕事を少しでも軽くしてやろうと奮闘する(のに岩永には全くその苦労が伝わっていない不憫)様が描かれる。 特に表題作である忍法虚構推理ではこのシリーズ全体の転換点とも言えるような展開があり、次作にどう繋がるか楽しみ。 作中作である忍法帖本来のオチはかなりぶっとんでいてそもそもなんでそんなスタンスでこの物語を読んでたんですか?という態度は笑ってしまった
  • 2025年11月24日
    アミュレット・ワンダーランド
    犯罪者専用のホテルで御法度の殺人事件の始末をつけるホテル探偵の活躍を描く短編集第2弾。第2弾ともなればそりゃ当然犯罪者も増える、事件のスケールも大きくなる。ホテルの存亡に関わる危機も度々発生しており、どのようなサービスを受けられるとしても絶対に泊まりたくない。特に、ホテル舞台にターゲットを指定し役割を終えたものに殺人を正式発注するという「ようこそ殺しやコンペへ」はすごくて殺人の発生から解決のまでの間に殺人者が殺されるというサイクルが繰り返されるのでホテル探偵を中心としたオーナー各位の心労がこっちまで伝わってきた。その分報いを受けさせる結末はカタルシス。どんどん登場人物も増えてきてどっかの段階でドラマ化でもされるんじゃないか。
  • 2025年11月15日
    アミュレット・ホテル
    犯罪者御用達の高級ホテルで発生した殺人事件を解決しその報いを受けさせるべく奔走するホテル探偵の活躍を描いた短編集。奔走するといっても、被害者・容疑者・その他全員が犯罪者という中、探偵はかなり短時間での解決を迫れられており、その期待に答えかなりスマートにテンポよく謎解きが進む。また、短編集ではあるものの主観人物が異なるエピソードやホテル探偵自身を深掘りするエピソード0など内容はかなりバラエティに富んでおり読んでいてマンネリがない。 全体としてかなり読みやすい短編集だった。 最後の謎は不可能犯罪の体をなしている上、ホテル探偵が最後の情報を手にするタイミングが謎解きの途中というかなりぎりぎりの戦いを強いられており手に汗握った。 続編もあるらしいのでそちらも気になる。
  • 2025年11月10日
    堕天使拷問刑
    堕天使拷問刑
    相変わらずジャンルごった煮で悪魔はびこる因習村かと思えば青春の一幕ありミステリあり不条理あり悪魔悪魔友情謎そして作品そのものがタイムカプセルでありラブレターでもある。 そしてやはりキャラクターが最高に良い。特に周囲から孤立する主人公に手を貸す不二男少年の言動には心打たれた。中盤彼が主人公に当てたモダンホラー推薦文が挿入(30ページ以上!)されるのだが、中学生である彼の自尊心というか本当にお勧めしたいものしたいしてかける熱量というか若さゆえの情熱みたいなものを正面から感じられてちょっと泣きそうだった。 物語はジェットコースターのように凄まじパワーで突き進む。分厚い物語ではあるがグイグイ読み進んでしまった。
  • 2025年10月16日
    五つの季節に探偵は
    人の薄暗い秘密を暴くことに快感を覚え、なおかつ謎を解き明かす才能を持っていることに気づいてしまった少女が探偵としての道を歩む物語。時間軸がより後ろの「彼女が探偵でなければ」では謎の解決を求める本能をなんとか制御しようともがいていた探偵が、若く未熟なまま周りを傷つけ謎を解き明かす姿はちょっと痛快。探偵でありながら決して善良ではないという塩梅が絶妙でもっと活躍を見ていたくなる。「わたしは、こういう人間なんだ。」
  • 2025年10月9日
    うたかたの娘
    人魚伝説を核にした短編集。人魚は美しく羨まれ永遠を生きる生命体。一見理想の生物だが自身の価値は見た目にしかないと認識し、人の世に生きながらも人との関わり合いを極端に恐れている。一方で人間は人間でルッキズムだなんだと言いながらも美しいものはやっぱり好んで、逆に美人は苦手だというのも見た目で人を判断している証左になり・・・。結局外見という一番外側にある情報で他人を判断してしまう、なんだか間抜けというか不思議な生き物だ。人魚に巻き込まれた人間はなかなか可哀想な目に遭うのだが物語全体が物悲しさというかどこか達観した雰囲気に包まれているので嫌悪感はない。
  • 2025年9月30日
    死体埋め部の悔恨と青春
    死体処理を請負う死体埋め部に無理やり入部させられた主人公が死体を埋める先輩の車の中でその奇妙な死体について推理する短編集。この先輩が非常に魅力的でモラルは完全にイカれてるけど面倒見が良く人当たりも良い。ユーモアもあり機知に富む。対した主人公も常識人としてのスタンスから冷静な推理を披露し車内での会話は普通のサークルの様。ただやっていることがやっていることなのでどう足掻いても幸せな結末には至れないよな、という悲しい崩壊の気配が常に付き纏っており不思議な読み味。
  • 2025年9月26日
    デスチェアの殺人 下
    デスチェアの殺人 下
    シリーズの中で一番衝撃的だった。事件も当然おぞましく、差別や排外が行き着く先を憂いている様に見える。事件が収束に向かいだしたと思いきや異次元の加速的展開。ノックアウトされた気分。
  • 2025年9月15日
    真実の10メートル手前
    「さよなら妖精」で頭はいいけど猪突猛進な主人公を尻目に全ての真実を把握しているかの様な超然とした態度を取りつつ、その実一番損な役割を引き受けていた大刀洗を主人公とした短編集。社会人となり記者となった彼女は取材を重ねながら同時に同時に自身の傷も重ねていくが、どこかそうとしか生きられないといった諦めに似た印象も受ける。基本的に根は善人なので痛々しいが、彼女の想像力というか洞察力は群を抜いており、そうとしか生きられないというかそう生きるのが一番自然にも見えてしまう。誰しもが気づいていない真実に1番に気づき、短編集では基本的に彼女の中で出ている結論の傍証を取材するという変わったスタイルになっている。お気に入りというか一番痛々しいのは高校生カップルの自殺を取材する短編。油断しているとガツンとやられる。
  • 2025年9月7日
    抹殺ゴスゴッズ
    抹殺ゴスゴッズ
    なんだかすごいものを読んだぞ。 悪魔を生んだ神ゴスゴッズ。その一員として令和に生まれた怪神コドクオ。主人公詩郎は街角で暴力団にリンチを受ける少女をさらに圧倒的な暴力で救助するコドクオを眼にする。その日から詩郎は圧倒的暴力、町で起こった謎の殺人に巻き込まれていく。 一方で詩郎の父は少年時代、平成に怪人蠱毒王を名乗る怪文書に端を発する殺人事件に巻き込まれる。 2つの事件が並行、交差し2つの時代に生まれた怪神と怪人、そして全てを飲み込む強大な力が空想と現実を飲み込んで行く。 ホラーかと思えばかなり正統派のミステリであり、まさかの青春物語でもある。特に登場人物は全員強烈で、詩郎にイカれた好意を振り撒く桜や罵倒を繰り返し「懺悔しなさい」と言い放つ無免許運転同級生のカナヨ、そして詩郎の趣味に理解を示し2人でゴスゴッズを作り上げだ親友木槍。長い小説ではあるがだれることなく結末までつき進むエネルギーが込められていた。
  • 2025年9月3日
    know
    know
    脳にコンピュータを埋め込み、また街を構成するほとんどの物質が情報を集め発信する機能を持つに至った未来で情報庁で働く主人公が門外不出最高クラスのコンピュータを積んだ少女と逃避行する話。あらゆる情報が公開されリアルタイムで取得できる世界で「知る」とはなんなのか、なぜ我々は知識を求め続けるのか、そして全てを知った時に何が起こるのか。哲学的な問いを常に全面に提示しながらも胸躍る情報戦や莫大な情報を背景にした「想像」などなどSFとしての面白さも犠牲にしていない傑作。
  • 2025年8月22日
    不等辺五角形
    不等辺五角形
    全てが会話で構成されており読みやすい。インターナショナルスクールで出会い社会人になっても付き合いが続いていた日本人グループで殺人が発生し、それぞれが弁護士にグループの人間模様を説明するといった内容。人によってそれぞれの見方が変わる!みたいなドロドロとした人間模様関係といった内容ではなく、割と些細なすれ違いや相互不理解はでてくるもののグループの仲は良好。それゆえ何故殺人が発生したかは検討もつかない、といった状況で最後にきちんとオチをつけてくれた。価値観のすれ違いとアップデートについて繰り返し述べられており、身につまされる様な話も多かった。おっと思ったのは「合理的」という言葉は男性に使うと褒め言葉だけど女性に使うと計算高いといった悪印象を含む、といった話。まったく気にしてなかったけど言われてみれば確かに・・・。事件に関しては流石に警察力舐めすぎだろって気はするがそこは本筋ではないのでまぁ
  • 2025年8月21日
    密室は御手の中
    密室は御手の中
    ミステリとしてもよくできているし主人公の心構えというか性格も好み。名探偵たらんとし異常な状況にも論理的に対処しようとしつつも徐々にキャパオーバーしそれでもまだ立ち上がる様に気骨を感じた。密室もタイトルにするだけあってよくできておりやられた!という感じだった。
読み込み中...