
いま
@mayonakayom22
2025年5月18日

プルーストとイカ
メアリアン・ウルフ,
小松淳子
読み終わった
今井むつみさんの本で紹介されていた本、やっと読了。
子供が文字を読み始める時、脳ではどんな変化が起きているか、熟達した読み手の脳では何が起きているか。
今並行して読んでいる本は運動によりニューロンの結びつきの準備ができるといったことが書いてあるのでそれも繋がって面白い。
何を読むか、どのように読むかによって独自の熟達度は変わる、という部分で引用してあったヘルマン•ヘッセの言葉が印象的。
「もの思う人には、一人一人の詩人が綴る一行一行が、数年ごとに新しい違った顔を見せ、異なる響きを呼び覚ます•この読書という経験の素晴らしくも不可思議なこと、それは、目を肥やし、感受性を高め、連想力を豊かに持って読書することを学ぶほどに、あらゆる思考とあらゆる詩の独自性と個性と正確な限界とがはっきりと見えてくることだ。」
同じ本を読んでもその時々で自分の解釈は奥行きが出る、そこから思考が羽ばたく。
その再現性のなさが読書の楽しさであり尽きない面白さだと感じる。
著者自身の子がディスレクシアであるという当事者性からの二項対立ではない書き方や、全ての子供がもつ可能性を育みたいという姿勢も、今時よくある何歳までに〇〇、のような書き振りとは違っていて良かった。



