
読書記録
@records
2025年5月18日

愛じゃないならこれは何
斜線堂有紀
読み終わった
軽率にタイトル買いしたけど、ちゃんと面白かった。
好きすぎになりすぎて、もはや好きなのか執着してるだけなのかわからない、でも諦めきれなくて、自分が自分じゃなくなってきた末期みたいな短編集だった。
物語の中で恋愛と友情の差についてときどき疑義が呈される。
「それにしても、どうして『幸せそう』という形容は恋人同士の関係にしか使われないのだろう?」p.35
「それ、友情が恋愛より下って言われてるみたいで嫌なんだけど」p.173
また、三人で成り立っている友達関係の中で、恋愛感情を抱いてしまったというシチュエーションの短編もある。
恋愛と友情って、優劣をつけられるものではないのだろうけど、
恋愛は相手を独占したくなって(※そうじゃない恋愛観の人もいるが)、「恋人」とか「付き合っている」とかその関係を約束したり言葉にしたりして成立させている分、特別な関係って感じがする。
友達の場合は、わざわざ自分たちは友達とか明言するものでもないし、友達は何人いてもいい(というか、世間では友達の人数が多いことが良しとされる風潮すらある)から、そのへんが優劣がつけられてしまう原因なのかな。
もちろん将来的に配偶者になりうるかどうかの違いもあると思う。
でも私自身はどうなのかというと、好きな人に対しての好きという感情の濃淡とか熱量とか、人として好きなだけなのか、そこに恋愛感情が入り混じっているかどうかの違い、とかがあるだけで、自分の中でどういう好きかキッパリと区別できてない時もたまにあるんだよなあ……と思ったりします。


