
もん
@_mom_n
2025年5月18日

読み終わった
心に残る一節
再読した
@ 自宅
文フリで垂井さんにお会いし、新刊を読み、ポッドキャストを聴き、(うう〜〜〜やっぱり垂井さんが好きだ………)と再認識したところで掌編集を読み返す。
垂井さんの文章はなぜこんなに沁みるのだろう。うまく言葉にできないのがもどかしい。静謐で誠実。本当に大好きで心底憧れている。
いつか西荻窪のそれいゆでこの本を読み返すと決めた。
22の掌編の中でも『Pillow Pillow』が特に好き。わずか3ページの掌編だけど、好きな言葉がありすぎて付箋を7枚貼った。
『あの人の心臓』『トゥールーズの夕方』『ひとりじゃないと見えない星』も好き。いやもう本当に全部好き……。
p.3
あなたがたまたま生まれさせられたことについて、おめでとうと手放しに祝福することがわたしには出来ない。でも、その偶然に眼差しを向けていたい。
p.54
ひとりじゃないと見えない星があるって信じてみることは、なんだか一つのささやかな希望のように思えた。大好きなあなたとも共有することができないもの、やわらかい光を発していて、両の手のひらで捕まえたらほんのりとあたたかそうなもの、そういうものが世界にはちゃんとあってほしいと思った。
p.127
「だから大丈夫だよ、ここにはわたしもいるから」あなたがそう言って目を閉じる。後にはその言葉の鱗片だけが残っていて、まるで言葉の全ては寝言だったみたいになって。


