
ゆい奈
@tu1_book
2025年5月18日

ブルックリン・フォリーズ
ポール・オースター,
柴田元幸
読み終わった
@ 自宅
こんなにも愛おしい物語がこの世にあることこそが奇跡だとおもうなどと、口走りそうになるほどに心が満ちているのであまり語らないほうがいいかもしれない、と言いつつも、あまりにも胸がいっぱいなのでちょっと言わせてほしい。はあ〜〜〜〜〜〜もうほんとうにネイサン大好き。大大大大大好き。彼らがそこにいるような、あるいは私がブルックリンの街にいるような、すっかり作者の存在を忘れ、これが物語であることをうっかり忘れてしまう、そのような小説に出会えた喜びよ。まず間違いなく2025年ベスト本入りです。
◾️p434「毎食後かならず歯を磨けよ。赤信号の道を渡るなよ。弱い者に味方しろよ。自分の権利を守れよ。自分がどれだけ美しいかを忘れるなよ。私がどれだけ君を愛してるかを忘れるなよ。毎日スコッチをオンザロックで一杯飲めよ。大きく息を吸えよ。目を開いていろよ。脂っこい食べ物は避けろよ。正しき者の眠りを眠れよ。私がどれだけ君を愛してるかを忘れるなよ。」
あの時、ああしなければ、これから起こる出来事の多くは起きずに終わり、そして言わずもがな、こんな奇跡さえ起こらなかったとしたならば、あの時、ああしたことはきっと良いことのはずで、だけど、今こうしていることをいつかの私は後悔しないかと問われると、そんなことはわからず、やはり人生というのはままならないものだなあとおもう。だけどやっぱり、あの時ああして、この時こうして、私はあなたと出会い、あなたは私と出会い、今が幸福であると、その奇跡をやっぱり信じていたいんだな、これが。
オースターっぽくない感じがする、というほど、オースターを読みこめていないので、オースターを読もうとおもいます。










