
あのね
@inu_daifuku_
2025年5月20日

アイドルだった君へ
小林早代子
読み終わった
どんどんわたしのすきなアイドルが若くなっていくのはその "目の離せなさ" に取り憑かれているんだなと気付かされた。
わたしもいわゆる推しがたくさんいるタイプのオタクだけれど、推し方は神谷さんの言うところの「祈り」が一番近いと思った。お金を使うことで、わたしと推しがなにか少しでも好転しますようにという祈りを込めている。
「強い憧れを持ってアイドルを志してる子が圧倒的多数の女子ドルたちと比べて、男性アイドルは熱意のばらつきが激しいんです。親類や知人の勧めでオーディション受けて合格しちゃったのがきっかけでアイドルやってるっていう子が男性アイドルには結構多いんですよね。(中略)そういう子には、だんだんとアイドルという職業へのプライドや執着が芽生えていく過程があって、それを見守るのも醍醐味のひとつですね。男の子のアイドルのごった煮で歪なところ、面白いですよ。」わかりすぎる。
20年以上活動してる国民的アイドルグループのことを「良くも悪くも大団円感が強くて、漫画で言ったら第五部くらいまで完結してるだろっていう落ち着きっぷり」「アイドルっていう職業への覚悟とか、満足感とか、諦念とかが綯い交ぜになった貫禄」と表しているのを読んで、わたしもここまでの語彙でアイドルを語れたらたのしいだろなと思った。
短編集なのでオタク視点の話と非オタの一般人視点の話とアイドル視点の話、アイドルの子ども視点の話、いろいろある。結構ハードなので全アイドル好きには勧められないな〜…
「アイドルはさー、娯楽として即効性があるんだよね。小説も映画も、労働ですり減った頭にはまわりくどいんだよ。良い作品でも、気が滅入ることも多いしさ。アイドルはこう、血管に無理やりぶち込むみたいに効くから。」
