
蛍
@bcgcco
2025年5月19日

すべての、白いものたちの
ハン・ガン,
斎藤真理子
読み終わった
初のハン・ガンさんの小説、エッセイなのか小説なのか曖昧なまま読み進めた。
一人称も曖昧で誰が誰の話をしているのか不安定だけど、ちゃんとそこに理由があったのか。
解説も踏まえて、この小説をもって姉の弔いとしたかったのかな、と感じた。
祈りの色である白にまつわる物語を追憶することで、姉妹としてもしくは一人の個人として人生を共有しようとしたのかな。
読者に向けた本というより、作者自身のケジメとか儀式のための本って感じがした、けど、文章が詩的で読んでいて心地よかった。
わたしはどうしても産まれて間もない息子に初めて光がさした日のことを思い浮かべてしまったな。
個人的に、謝辞で書かれていた「学校から帰ってくると、自分がその日見た白いものについて話してくれた二〇一四年秋の息子にありがとうと伝えたい。」という一文が愛に溢れていて好き。