
読谷 文
@fumi_yomitani
2025年5月21日

つくって食べる日々の話
ほか,
スズキ・ナオ,
ツレヅレ・ハナコ,
円城塔,
大平一枝,
平松洋子,
春日武彦,
滝口悠生,
牧野伊三夫,
白央篤司,
著者複数,
辻本力,
阿古真理
読み終わった
ネタバレ
各界の方々の「つくって食べる日々」=自炊について書かれたエッセイ集。
料理や食べることが大好きで一日中食事のことを考えている人、自炊は好きじゃないし面倒だから週2位でいいかなという人から、はたまた食に全く興味がないという人まで、自炊における様々なグラデーションがそこにあって、ホッとする。
自分も家族に出すための料理をするけれど、100パーセント料理が大好き!楽しい!とは思えない。どちらかというと義務を伴う労働だと思っているのが正直なところだ。
自分一人だけのためだったら、気楽に好きなものだけ作れるけれど、作る張り合いみたいなものも半減する気がする。が、そのくらいのテンションの方が丁度良いのかもしれない。
最も心を掴まれたのは、やはり大トリの「乾きかけのトゲ/平松洋子」だ。
「自分で料理をする生活がしたいから」と、高齢ながらひとり暮らしを選択する著者の母。その暮らしに徐々に変化が見え、ついには終焉を迎えることとなる。その刻々とした描写に、人が生きること、そしてその生が終わることの凄みを感じた。


