つくって食べる日々の話

つくって食べる日々の話
ほか
スズキ・ナオ
ツレヅレ・ハナコ
円城塔
大平一枝
平松洋子
春日武彦
滝口悠生
牧野伊三夫
白央篤司
著者複数
辻本力
阿古真理
株式会社Pヴァイン
2025年2月21日
54件の記録
- r@teihakutou2025年10月8日読み終わった悩んだり、コンプレックスを抱えたり、人生の局面の変化に適応しようと頑張ったりしながら、みんなそれぞれ料理と対峙していて、この食からの逃れられなさを人間みんな共有しているんだと思うと、心強い。 ◯宮崎智之「「料理は大事」と人は言う」: 引用される吉田健一の文章に唸る。この本の中で一番、食に興味のなさそうな書き手だったけど、自分をまっすぐ見つめていてよかった。 他の人とは違う、特定のお題で依頼されたのだろう、白央篤司の食エッセイを紹介する文章と、松永良平の「料理に似合う音楽」の文章も、それぞれの分野で知らなかった作品をたくさん知れてよかった。 滝口悠生と平松洋子は、トリにふさわしいと言いましょうか、ほんとにいい文章。
- r@teihakutou2025年10月7日読んでるいつも一緒に帰ってくれる職場の人にわたしの自炊好きがバレていて、毎度「今日の夜ごはんは何?」って聞かれるようになった。今日は「いま家に食べ物が何もないから、松屋かガストに行く」と答えたら、「珍しい!」と言われて、それくらい自炊する人として認知されててなんだか嬉しかった。(そのあと、「てことは、お弁当は?」「昨日も今日もパンだったんですよ〜」「珍しい!そんなこともあるんだ」というやり取りが続いて、わかられてるな〜わたしいつもお弁当だもんね〜と思ってこれも嬉しかった。) そんなわたしが今日はガストを選択し、ドリンクバーもつけて閉店までのんびりこの本を読んでいたわけです。p.106まで読んだ。 ◯大平一枝「揺れる台所」: 手料理にこだわっていた一児の母が、あることをきっかけに固執を手放して、惣菜と外食を使うと割り切ったエピソードが印象的。 「人は変わる。料理をする人だけが正しいわけではない。」「料理と自分の距離は、人生のそれぞれのステージでゴムのように伸び縮みするものだと思う。」 ◯絶対に終電を逃さない女「それでも料理を好きになれない」: 「向田邦子の手料理全部作る」というSNSの投稿を見てくれる人がいるのをモチベーションのひとつとして自炊している話に共感。わたしも作るたびに写真撮って投稿していて、どんなに地味な見た目でもいいねしてくれる友だちがいる。 「一人で作って一人で食べていても、私の自炊は常に、誰かと共にあるのだ。」 ◯阿古真理「私と料理とこの社会」: まんまとこの人の著作いろいろ読んでみたくなった。女であることと、料理が好きであること。試行錯誤の過程がとても参考になる。 ◯オカヤイヅミ「自炊になるまで」: いつもインスタで自炊投稿を見てるファンとしては、今のオカヤさんになるまでの変遷が読めて嬉しかった。 こうして見ると、グッとくるのは女性の手による文章ばかりだな。
- 月明かり@book_dragon2025年6月14日読んでる心の平穏のために寝る前の読書を始めた。 最近は「つくって食べる日々の話」を読んでいる。まだ読み始めたばかりだけど子供との何気ない食事事情や、読んでいるだけでお腹が空いてしまう(実際お腹が鳴った)おつまみの作り方など、章ごとに違う書き手が食と生活について自由に綴っていて大変心地良い。
- nessie@nessieayako2025年6月10日読み終わった料理への見解が清々しくばらばらで良かった。特に、つくるのがどうしても好きになれない人の話は普段なかなか聞く機会がなかったのもあって興味深く読んだ。 「手術ができるなら、料理だってできる筈」は手術経験者にしか言えない貴重な言葉。どうやったって逆は思いつかないし。そもそもこのふたつを同じ土俵に上げようて思ったことなかったよ!ってげらげら笑った。 下記の話は、料理以外のことにも言える気がしてぐううう……ってなった。 P84 「意地でも「食べることは楽しい」「料理は楽しい」を死守すること。「義務」や「労働」という側面さあっても、それらに過剰なまでの侵食は許さないこと。当座は、このへんを目標に生きていこうと思う」 本音をいえば、根性ないまま生き延びれたらいいなって思いがあるのだが、それでも、時に楽しむことには意思が必要とも気づきはじめていて、だからちょっと耳が痛かったのかもしれない。 最後の話が、最後に置かれるべくして置かれていることにもじんとした。
- 読谷 文@fumi_yomitani2025年5月21日読み終わったネタバレ各界の方々の「つくって食べる日々」=自炊について書かれたエッセイ集。 料理や食べることが大好きで一日中食事のことを考えている人、自炊は好きじゃないし面倒だから週2位でいいかなという人から、はたまた食に全く興味がないという人まで、自炊における様々なグラデーションがそこにあって、ホッとする。 自分も家族に出すための料理をするけれど、100パーセント料理が大好き!楽しい!とは思えない。どちらかというと義務を伴う労働だと思っているのが正直なところだ。 自分一人だけのためだったら、気楽に好きなものだけ作れるけれど、作る張り合いみたいなものも半減する気がする。が、そのくらいのテンションの方が丁度良いのかもしれない。 最も心を掴まれたのは、やはり大トリの「乾きかけのトゲ/平松洋子」だ。 「自分で料理をする生活がしたいから」と、高齢ながらひとり暮らしを選択する著者の母。その暮らしに徐々に変化が見え、ついには終焉を迎えることとなる。その刻々とした描写に、人が生きること、そしてその生が終わることの凄みを感じた。