
辻井凌
@nega9_clecle
2025年5月22日

星の王子さま
サン=テグジュペリ,
アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ,
河野万里子
読み終わった
感想
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」
読んだことがなくてもどこかで聞いたことのあるこのセリフは、あんなシーンで出てきたのかと感動してしまった。要所要所に出てくる言葉の数々がとにかく素敵だ。やさしいけど、ちょっぴりさみしくなる物語である。
素敵といえば、作者によるまえがきもいい。親友に捧げた献辞は、言い訳ぽくもあるがユーモアと親友への愛に満ちたものになっている。こういった言葉たちを読めば、きっと訳し方も素晴らしいのだとわかる。
王子さまは、方々の星で様々な人々や生き物に会う。中でも僕が好きなのが王様だ。偉ぶってそうだが、身の丈も知っている。そんな王様とのやり取りは非常にコミカルだ。舞台で見たくなるシーンである。
ところで小説に出てくるトルコの独裁者とは誰のことだろう。ケマル・アタテュルクのことだろうか。サン=テグジュペリのトルコ観を知るヒントが隠れている。
