
久保みのり
@kubomisan
2025年5月23日

水中の哲学者たち
永井玲衣
読んでる
@ 自宅
諦めが美徳かのように「そういうものだよ」と言われることが、何より苦痛だった。恋愛でも仕事でも常に「なんでそうとしか思えないの」と腹を立てながらここまできたんだ。受け身になるのが、嫌だったんだ。
p.068
そういうものだよ、考えすぎるとつらくなるよ、わからなくなるよ。この思考停止を誘う言葉は、思いやりの形をとったアドバイスの容姿をしているからおぞましい。いつくしみ深い聖母の見た目をして、抱きしめられた途端にわたしたちの息の根を止めてしまう。気がついたら、あっという間に無抵抗で受け身の人間につくりかえられてしまう。





