なこ "襷がけの二人" 2025年5月23日

なこ
なこ
@nonbibiri75
2025年5月23日
襷がけの二人
「あなたは一体、何か努力をしてきたの?」 千代の母の言い分も一理あるけど、夫婦関係にはお互いの努力が必要で。読んでて最初から最後まで茂一郎のことが嫌いでした。 ——————————————- 現在よりももっと女性の生き方に選択権がなくて人権もなかった時代。さらに〝生きづらいもの〟を持った二人、千代の嫁入りと女中お初さんが精いっぱい生きていく話。 閨、子づくりなどがそれはそれは淡々と赤裸々に書かれてます。勝手に決められて嫁入りして、よく知らない夫を受け入れろって、女の意思はマル無視かよ💢 妾は当たり前に存在しますし(これに関しては複雑な思いが生まれますけど…)、手籠にしようとしたり拒否られたら嫌がらせしたり、昭和男がクソ過ぎです。ああ、まさかあんな人までクソか🫠 不愉快な気分になる描写はてんこ盛りです。なのに、そんな中で生まれていく千代とお初さんのシスターフッド的な箇所に救いを感じて、読了感が爽やかなんて! 反則もいいとこです。 千代はお初さんと縁づいた感あるし、それは二人ともにとって救いでもあったなー、と。 ヒストリーとはhis+story、つまり彼の話で、歴史とは男の視線から記録されたもの。と大学の先生が仰ってたなーと急に思い出しました。そして、この「襷がけの二人」は誰にも記録されなかった女性たちの記憶であり歴史だと思ったの。「多分こんなことがたくさんあったんだろうなー」と知っとくことは大切です。(フィクションだとしても)知れてよかった、読んでよかったです。…今はまだ再読は勘弁って思ってますけど。 これを読んだ男性の感想を聞いてみたいですね🤔 家族への推薦度☆☆☆☆☆ (身近な人とは内容も感想も共有したくないかな…)
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