
蟹
@kanibook-9
2025/05/23
「寺井啓喜」という名前から始まる一節を読んだ。どうやら3人の人物の話が入れ替わりながら進んでいく物語らしい。
読書慣れしていない私にその情報量は受け止めきれるのだろうか?と感じながら次の人物へ進んでみる。
寺井啓喜-不登校の息子を持つ検事。お仕事から生まれる彼を守るためのプライドが息子と対立しているように見える。家族を養う役割を担っているのもあってそうなりやすいのかもしれないが、息子の存在が彼のステータスの一種という程度の比重にしか感じ取れなくて、苦しいことだなと思いながら読んだ。
桐生夏月-ショッピングモールの寝具のお店で販売員をしている人。周りにいる人の言動だけじゃなく醸し出す雰囲気や小さな動きを見ながらたくさん裏側を想像する人で、ここまで繊細な部分は感じ取れないけれど自分も割と同じ感じで情報を入れていくタイプだなと思いながら読み進めた。ここに出てくる「沙保里」という人物はまさに読書をしているこの環境にいる人と似たものがあって、存在しているところの空気を完全に持っていく(良いケースもあるかもしれないが悪いケースに転ぶことが多い印象の)人。
桐生夏月はそこに乗らず、冷たい態度をとっていて、自分を浪費しないために必要なことだなとか、学生時代にとても自分が苦手としていたことだな。と過去を思い出しながら読んでいた。
後に寺井啓喜の話と繋がっていくのだろうか?
まだ展開は読めないまま次の人物に進む。