
a8ka
@a8ka
2025年5月23日

パリの砂漠、東京の蜃気楼
金原ひとみ
読み終わった
「きっと私も、無自覚にあらゆる人を傷つけてきた。差別や悪意以前に、存在するだけで、誰かを愛したり、誰かを生理的に嫌悪したり、誰かに対して個人的な感情を抱くだけで、常に何かに傷つき、何かを傷つけて生きている。生きているだけで、何かに何かの感情を持っただけで、何かに傷つき、何かを傷つけてしまうその世界自体が、もはや私には許容し難い。
この砂漠のように灼かれた大地を裸足で飛び跳ねながら生き続けることに、人は何故堪えられるのだろう。爛れた足を癒す誰かの慈悲や愛情でさえもまた、誰かを傷つけるかもしれないというのに。」
思っていることの言語化が真っ直ぐに鬱々としていて読んでいて「自分が思っていたことはコレだ」となる箇所がいくつもあった。誰も傷つけたくない、苦しい、寂しい。大人になってもずっと寂しい。
