
数奇
@suuqi
2025年5月24日

ヴァイオリン職人の探求と推理
ポール・アダム,
青木悦子
読み終わった
オノ・ナツメによるカバー版を読了。幻のヴァイオリンを巡って起こる殺人事件というミステリーでありつつ、徹頭徹尾ヴァイオリンという楽器に良くも悪くも魅せられた人たちの話に終始しているのが面白かった。お金の話や贋作の話など汚い話題もリアルに描いているからこそ、楽器の、音楽の美しさが際立つ作品になっていたと思う。
推理パートでは様々な土地を渡り歩き、イタリアはじめヨーロッパ諸国の街並みを感じられる描写もまた旅行記のような楽しみ方ができてよい。推理としてはかなり都合よく話が進んでいく感がありやや平坦で退屈にも思ったが、犯人が誰かよりも、「音楽」の正しいありかを探す物語になっているのはとても良かった。








