単独派 "羅針盤は壊れても" 2025年5月25日

単独派
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@VvV0699
2025年5月25日
羅針盤は壊れても
『羅針盤は壊れても』 同い年の人らが大学を卒業する年で、中卒である自身の人生の敗残を確信しながらも、田中英光の私小説を心の拠り所にし、新規蒔き直しを図るが、結局はまた同じことを繰り返していたということを悟る。 この寓話的な帰結もさることながら、私小説家としてのスタートラインに立とうとしつつ、それすらも叶わず、自らの羅針盤が壊れていくなかで自らに言い聞かせる(大丈夫だ、まだ、大丈夫なはずだ)の虚しさが良い。
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