こえさん "ヴィヨンの妻改版" 2025年5月25日

こえさん
こえさん
@vivacushion
2025年5月25日
ヴィヨンの妻改版
「津田と文学」視聴以降、 純文学熱がムクムクと再燃し、 積読タワーを眺めていたらええの発見!  あっという間に読破。 おもしろい。 基本は私小説なのだけれど、 書簡風、ファンレター、女性目線など、 スタイルが多様で読み飽きない。 これぞ理想の短編集。 どの作品もそれぞれに良さがあったが、 「父」のラストは生涯脳裏にこびりつきそうで怖い。 俺なら絶対、奥さん&こどもを大切にするのに! なんて思うけど、どうしてそう言い切れるのか、 わからない。 俺にとっての「義」とはなんなんだと。 死を思い、家庭と向きわず、酒に逃げる。 戦争が人々に与えたとてつもなく ネガティブな影響を思うとやりきれない。 あと表題作の「女性/母」の描き方は、 現代人にこそ響くと思う。 この時代にこの感覚を持ってるのはすごいな。 ただ、それをわかっていても、 妻と向き合えない男の弱さも思い知る。 よくもこんなにダークな作風の小説家が 国を代表するベストセラー作家になれたな。 素晴らしく、豊かなことだと思う。 スーを差し上げます。
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