
もぐもぐ羊
@sleep_sheep
2025年5月26日

青い落ち葉
キム・ユギョン,
松田由紀,
芳賀恵
読んでる
九篇の短篇から「平壌からの客」「自由人」「チョン先生、ソーリー」の三つを。
「平壌からの客」は父親が脱北に失敗したせいで、母親と博士号をとって研究職に就いていた息子が田舎の農村で農民として暮らさなければならなくなったところからはじまる。
農村にいた娘が息子に心を寄せていたが、結婚したくても娘の側の親族に累が及ぶ可能性がありなかなか許しが出なかったが何年もかけて周りを説得して結婚し夫婦として暮らして還暦を越えたとこに平壌からの男が訪問してきた。
男は夫と同期で研究医をしていて、研究所に戻ってくるようにいうが夫は話をはぐらかし引き受けない。
結局、父親の兄がアメリカで資産家になっているので息子が研究者として厚遇されていることを見せて大金を出させる魂胆だった。
30年以上も研究から離れ農民としての人生を受け入れた彼はそれを見抜いていたのかもしれない。
「自由人」は身なりも雰囲気も上品な脱北者を担当した地元の刑事が彼を『先生』と呼び親しい付き合いをしていたところ、突然姿を消してしまって困惑するところから。
先生は海辺の掃除をするなどのアルバイトで月に日本円で7万円ほどの収入を得て充実した暮らしをしていたが、海辺での掃除の仕事中に遭遇した男と軽く揉めた後に行方不明に。
その男は北朝鮮の高官で脱北者でもあり、過去に『先生』の部下だったと刑事に話す。
『先生』はとても有能であったし国からも信頼されていたが、ある帰国時に行方不明になり後日遺体で発見されたという。
その後、刑事に『先生』から連絡があり家を訪ねて食事をしながら会話した中で、いくら北朝鮮で成功したとしても高級奴隷でしかなかったし、今の自由人の暮らしがとても気楽だと『先生』が言う。
どんなにお金持ちになっても独裁国家の中で心穏やかに暮らすのは難しく、高級奴隷という言葉に重みを感じた。
『チョン先生、ソーリー』
脱北して北朝鮮時代と同じく医師として働く女性チョンが、脱北を決意してから韓国にたどり着くまでの話。
ブローカーの手を借り鴨緑江を渡り延吉で叔父に会ったが、助けてもらえずわずかな人民元を渡され、朝鮮族の女と青島を目指したが途中でその女の自宅に監禁され、人身売買の危機に陥る。
しかしなんとか逃げ出すことができ青島までたどり着き韓国に渡ることができた。
その後、叔父を探しようやく見つけて会いに行った。
はじめは恨み言ばかり頭に浮かんだが、実際に会って和解し、それからは親しく付き合うようになっていった。
叔父が延吉に会いに行った時は自身の事業が失敗してお金がまったくなく、延吉までの飛行機代も借金してまかなったという話だった。








