ちょこれーと* "ガラスの海を渡る舟" 2025年5月27日

ガラスの海を渡る舟
『普通』ってなんだろう?という疑問が浮かんだ。このお話に出てくる羽衣子はおそらく俗に言う『普通』の子。おそらく考え方とか生き方とかも世間一般で言う『普通』。『普通』はこういう考え方をするし、こう思うのが当たり前、という感覚。 具体的にイメージしている色やデザインがあれば教えてほしいと道が希望を聞いたところ、 「そういうことやなくて、ただ『違う』ってことだけがわかるんです。」という答えの山添さん。 その話を聞いたまことくんは「厄介だね。」と言い、羽衣子は「おとなしそうな顔をしてけっこう難しい人のようだ。」と考える。なんだか私からするとキツいなと思ってしまった。 なんか、面倒くさいなって思っている感じがするというか、突き放すような、歩み寄る気がないというか…。 なんだろう、このなんとも言えないムズムズする感じ。身近に羽衣子とまことくんがいたらたぶんあまり関わらないようにするだろうなって思う。 こう考えてしまう自分はたぶん『普通』の側ではないんだろうな。
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@5_ogd
読み進めていってまことくんの放った言葉に対してのムズムズの正体がわかった気がする。この人は人を卑下している。自分よりも劣っていると考えている。羽衣子の努力を鼻で嗤い、道のことも馬鹿にしているような言動。引っかかったのはそのせいかと思った。 『他人の良いところを認めるより、批判したり揚げ足をとったりするほうが、ずっと簡単やな。優位に立ったような気分になれるけど、実際はその場にとどまったまんまや。でも羽衣ちゃんは道を認めた。それができるやつは先に進める。』 羽衣子はまことくんとは違う。道の実力を認めた上でもっと努力しようと、前に進もうとしている。 『前を向かなければいけないと言われても前をむけないというのなら、それはまだ前を向く時ではないです。準備が整っていないのに前を向くのは間違っています。向き合うべきものに背を向ける行為です。』 人それぞれ前を向くにもタイミングがある。向き合うべきもの。目を逸らさず、逃げずに向き合うこと。とても難しいけどとても大事なこと。
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