はぐらうり "氷柱の声" 2025年5月27日

氷柱の声
氷柱の声
くどうれいん
芥川賞候補作。東日本大震災で、傷つき、傷つけなかった人の話。これは本音の小説だった。 震災当時、都内のオフィスにいて、夜、帰れなくなった人を数人、車で駅まで運んだ。みんなを降ろして一人になった途端に、恐怖が襲ってきた。何に対してかはわからないが、わからないことも怖かった。 深夜に帰宅して朝までテレビでニュースを観ていた。目を離せなかったし、そもそも眠れなかった。 著者の方は歌人なんだな。風景の描写にその感性が感じられ、身体に馴染む印象があってとても心地よかった。
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