
💊
@Cannabi_Shabu
2025年5月29日

異邦人
カミュ
読み終わった
さすが名作👍👍👍
主人公のムルソーを、最初は変人程度に思っていて、しかし結婚したがっているマリィへの返事のシーンから、彼のことが大好きになってしまいました。
この変人具合が"異邦人"なのかと思っていたら、本当にどんどん"異邦人"になってしまって、私の想像の及ばないところまで行ってしまった、、、
生きるということに関して、私はつい精神に重きを置いてしまいがちです(これは悪い思考の癖なのですが……)。
しかし彼はどこまでも現実や感覚に重きを置いていて、それが彼の生命に直結している。そして最後はあの部屋の中で、今まで愛してきたこの世界を愛し直すことである種の悟りを得たのではないか。
物質主義になってしまった現代人が、自らの死に向き合って生を愛するには、ムルソーのような過程を辿るのではないかと思わずにはいられません。
最後の一文はイエスキリストの最期を想起させました。また解説を読んでさらに好きになった小説でもあります。
この文庫本自体を買ったのは中学生のときでしたが、今読もうと思った不思議な縁に感謝します。