
socotsu
@shelf_soya
2025年5月29日
増補 アルコホリズムの社会学
野口裕二
読み終わった
「コントロール可能な自己」という現代社会の価値観がアルコホリズム(ものへのアディクション)や共依存(ひとへのアディクション)の根幹にあり、回復には自己のコントロール不可能性を認めるしかない、しかし回復後に復帰する社会もまた共依存的であるのならば、という考察が非常に興味深い。「推し活」と呼ばれるような行為に熱中する人が多く見られる現代において、その行為もまたひとやものへのアディクションのひとつのあり方ではとここ数年考えていたけれど、その考えを深めるためのヒントになるような書籍でもあった。
また「コントロール可能な自己」を放棄する、「自己というフィクション」を認めるのであれば、確かに論理的に説明可能なものだけに重きを置くような考え方の外に出る必要があり、それにはスピリチュアルが必要である、という考え方は納得がいくものではある。

