
こここ
@continue_reading
2025年5月30日

読み終わった
ラカンという難解な理論の変遷について、なんとか読み通す事ができた。
50年代、60年代、70年代を通じてラカンが理論の中心を移行させ、神経症と精神病の鑑別診断を絶えず改定していく様が述べられ、最終的には鑑別診断という論点そのものが脱構築されるに至る。
著者の松本は結論で、現代の精神医学の疾患分類が困難さの差異を消去し、メンタルヘルスの名のもとに向精神薬の際限なき適用が行われている状況について、「病を普遍へと還元することによって、病の特異性=単独性を消去してしまっているのではないだろうか?」と危惧している。それによって「必ずやその外部に、包摂しようのない悪魔的な例外を位置づけることになるだろうと。
人はそれぞれに精神病でありそれは治すというものでなく、それと共にうまく生きること。
確かに薬で良くなる症状は多いだろうが、結局はこの資本主義の社会に属さなければならないと言う歪み?なのだろうか。
デリダやドゥルーズ=ガタリのラカン批判の論点等については、別途彼らの本人ついて読んだ方がより理解が深まるのだろうなと思う。まだ読んだことがないので、また入門書からチャレンジかなあ。






