木埜真尋 "ミッキー7" 2025年5月29日

ミッキー7
ミッキー7
エドワード・アシュトン,
大谷真弓
映画を見た後で原作を読んだら、だいぶ味付けが違って面白かった。どちらも好きでした。原作には、ミッキーが元いた星の環境と人類がそこに至るまでの設定が細かく描かれているので、ミッキーがアマチュア歴史家として知的なところがあっても社会構造とそこにある格差を踏まえたうえで物語を読むことが出来るのだが、映画だと尺が足らないので、ミッキーの設定自体を格差社会の底辺部にいる人間にすることでそこまで細かく説明しなくても、元いた星もユートピアではないというニュアンスを理解できるようにしたのかなと思った。 以下、原作と映画で違う点のメモです。(原作の設定/映画の設定) <物語冒頭で死んでる回数> 6回/16回 <使い捨て人間の志願理由> 借金取りから逃げるため(ここは映画も一緒) <借金の理由> 友人ベルトが出るスポーツ賭博で友人が負ける方に賭けて大負けした/友人ティモと立ち上げた飲食事業が失敗 <ダブったミッキーの性格> 仕事を拒否、寝てばかりいる、ずっとお腹が空いている、ニートっぽい/キレやすい、17と喧嘩ばかりする、ヒロイックな行動もする <友人の設定> ベルト・ゴメス、パイロット、元いた星ではスポーツ選手だった、嘘をつきがち/ティモ、ミッキーの苦難はだいたいこいつのせい、船内でヤクの売人をやっている <司令官の設定> マーシャル、カロリーを厳しく管理する、妻はいない、差別主義者でありヒステリックなところはあるが船員を扇動するようなところはない/マーシャル、イーラという妻がいる、トランプ大統領の振る舞いをカリカチュアしていると思われる動きと喋り方、船員を扇動し虐待している <アラン・マニコヴァのヤバさ> 惑星間戦争が起こる規模/惑星内部で裁かれる規模 <映画の独自設定> ・星の先住民の設定 ・先住民の生態を調べるチームが存在 ・研究員ドロシーが対話装置を発明する ・船内の風紀を調査する機関が存在 ・マーシャルとその妻イーラの顛末 ・ミッキーとナーシャにだけ分かるハンドサイン <原作では言及されているが映画には出てこなかったか詳しく言及されなかった設定> ・反物質 ・ナーシャの出自 ・人類がどのようにいろいろな惑星を開拓してきたかの歴史
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