土曜日にミュージカル版をを見に行くので、電子書籍の読み上げ機能を1.5倍速にして自動ページ送りができる状態にして、いけるとこまでいこうと読みはじめたら案外スルスル読めて2日で読了した。原作とミュージカルでだいぶ設定が違うんだってところも楽しみつつ観劇できたので、直前に読んでよかった。

NHKで放送されていたドキュメンタリーの原作ということで図書館で借りた。強制収容所の話は半分くらいまでは出てこない。前半は戦中のふつうのドイツの若者がどんなだったか書かれていて、その部分もかなり怖かった。総統を見た話やみんな当たり前にヒトラーユーゲントに入っていたとかそういう感じ。裏表紙には著者近影が載っていたのだが、ドキュメンタリーに出てきたのは背中の曲がったご婦人だったので、時間の流れを強く感じた。

城華さんの肌見せドレスに誰も突っ込んでくれない……と半笑いで読んでいたら後半は急にためになる上に考えさせられる話になってきて良い温冷浴でした。

キャラクターと一緒に時を重ねている感があって身につまされる。

全てのイスラム教徒は知を求める義務があるのなら、なぜ女子教育を禁じているイスラム教国家が現に存在しているんだろうかというところが気になったので、調べてみようと思った。

「そういう施術」ってのが一瞬なんのことか分からなかったんだけれども、わかった瞬間に、自分が歳とって心が弱ったから、堕胎させようとしていた子どもに会いたいと言い出したってことかと合点がいって、クズの解像度の高さに舌を巻いた。とはいえいい最終巻でした。夕さんとみすずさんのエピソードがもっと読みたかったです。

森先輩の進路を聞いた後のコマがところどころ滲んでいるのがものすごく好きだった。次巻、香りのインスタレーションをイラストでどう表現するのか気になる。

遺品整理を頼まれる1話を試し読みで読んで引き込まれ、電子書籍で既刊を全て買いました。 わたしは4話から出てくるジョージさんと同じく読めないタイプの本好きなので、漫画の中で自分と同じ生態の人に出会えたのが嬉しかったです。