Ken "往復書簡 限界から始まる" 2025年5月30日

Ken
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@ken_book_lover
2025年5月30日
往復書簡 限界から始まる
往復書簡 限界から始まる
上野千鶴子,
鈴木涼美
二人の往復書簡、めちゃくちゃ響いたのです…。自分のパンツを被ってオナニーをするバカな生物(男)と真面目に対峙する価値はあるのかと問う鈴木に対し、男なんてというのは冒涜であるという上野。風俗嬢の主体的な言葉を奪われたくないという鈴木に対して、それが男を免責するという上野。 男性の一人としてこの書簡をどう受け止めるのか、よく分からんというのが本音。その戸惑いの1つの要因は、圧倒的に二人がヘテロセクシュアルの男性と女性を語っていたから。改めて、ジェンダーが語られるときのセクシュアリティの後景化を感じた。 例えば、「女を買う男」という構造的なジェンダー非対称性を問題にする上野に対して、ゲイ/レズビアン風俗についてはどうなのかと問いたい。上野のロジックなら同性愛風俗は肯定されそうな気もするが。一方、若いイケメンを買うおじさんに対しては鈴木の目線は同じように当てはまるのだろう。 鈴木の経歴的に「性」の話題多めではあったものの、独身者の辛さ、結婚に対する焦燥感みたいな極めて「普通の話」も出てきたのがとても良かった。上野の凄さ、個人的には独身を貫いたことだと思っており、その上野から鈴木に宛てられた言葉は最高に良かったのでした。色んな女性に届いて欲しい。
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