kasu. "月とコーヒー" 2025年5月31日

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@11uyksm
2025年5月31日
月とコーヒー
月とコーヒー
吉田篤弘
prime readingを初利用。電子書籍デビュー📱 寝る前のひと時のための短編集。全24話。 掴みどころがないようなお話ばかりで難しく考えずにサラッと読める。でも、話によっては読んだ後に深く考えたりして楽しい1冊。 私の一番のお気に入りは「三人の年老いた泥棒」 世間に顔を見せてはならない泥棒を長年やってきたせいで個性を無くし、影だけになった老人泥棒3人組。今夜も何を盗むのか。話し合って決めたのは、ある特定のものだけを盗む作戦。これがとても綺麗なお話しで一番印象に残った。 〜他のお気に入り作品〜 「白い星と眠る人の彫刻」 SFチックなお話。空に浮かんだ途方もなく大きな白い星“サイロン”。この星が近付いてくることで起こる地上の乱れと変化。少し悲しいお話でもあるけれど、その後の展開で新たな視点が加わった時に感動やら虚しさやら『アルマゲドン』を観たあとの感情に少し似ていた。 「つづきはまた明日」 姉が弟のために内緒で「映画鑑賞旅行」のチケットを手に入れた。自由な旅をしつつ、1本の映画を夜の1時間だけ3つの街で連続ドラマのように鑑賞する三泊四日のツアー。そこで出会った“先客”に既視感を覚え、ある質問をすると…。『え、どういうこと?』が素直な感想だったけど、その不思議さがまたなんとも魅力的なお話だった。 「ジョーカーのサンドイッチ」 トランプのカードから抜け出したジョーカー。サンドイッチが食べたくて仕方がないと思っていたから神様がチャンスを与えてくださったと、食べ残しのサンドイッチを頬張るとある記憶を思い出す。 不思議なお話。そしてほっこり。実際にジョーカーの身なりをした人が居たらちょっと不気味だろうなぁと思いながら読み進めた。
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