本屋lighthouse "ジョゼフ・コーネル 箱の中の..." 2025年6月1日

ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア
ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア
デボラ・ソロモン,
太田泰人,
林寿美,
近藤学
晩年になってようやく名声やら評価やらを手に入れ始めたコーネルだが、それゆえかどんどん人との関わりを減らしていく。しかし学生を筆頭にした若者や子どもに対しては、むしろ積極的に関わっていく。もちろん、女性に対する偏執的で歪みのある愛情、あるいは性的欲求も変わらない。 ほとんど毎日、台所のテーブルで本を読んだり書きものをしたり、時折かかってくる電話に答えたりして、落ち着いた暮らしを送っていた。青いタオル地のバスローブを着たまま、ことさら何かに駆り立てられるかのように自分の見た夢を日記にしるした。弟や母の夢を見た。ジョイス・ハンターと一緒にストランド・フードショップでジュークボックスに耳を傾けている夢を見た。彼が日記をつけているのか、日記が彼を支えているのか、わからなくなっていた。(p.438)
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved