"DTOPIA" 2025年6月1日

北
@kita_9
2025年6月1日
DTOPIA
DTOPIA
安堂ホセ
読書人の文学賞離れが言われる中で、一丁前に権威から離れるのがかっこいい姿勢だと思って馬鹿にしてる時期が自分にもあった。  ただ、祖父の故郷に旅行に行った際に、伯祖父の本へ向かう柔らかな姿勢と90近くなっても新しい文学への興味が尽きない好奇心に観念をぶっ壊されてしまった。実際文学賞を通読する挑戦をしてみた中で、面白く新しい作品にいくつも出会ってしまって、改めて自分の狭隘なところを突きつけられてしまった感じがする。  伯祖父が最近の作家で特に評価していたのが宇佐見りんと安堂ホセ。試しに安堂の『DTOPIA』を読んでみたらこれがとてつもなく面白かった。とくにP.22からの「フォーマット」についての文章は圧巻。この作品で安堂は世界を実に現代的に捉え、美しくないその場所へ絶望しつつも、それでもそこを皮肉り続け、先へ進んでいく。
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