
みつ
@m-tk
2025年6月8日

買った
読み終わった
一万円選書
---この世界に生まれて、大切な親に認めてもらうために頑張る、その最初の頑張りが、そのまま人生の最後まで続く頑張りである。多くの人にとって(九割以上の人々にとって)、これは真実である。
親から引き継いだ頑張りを修正するのは、最初は思春期である。親の生き方に疑問を投げ掛け、抗議し、反抗し、一緒に生き方を変える。
結婚して子どもを育てれば、自分の子どもが思春期になった時に、再び、同じ問題に直面する。自分の思春期に修正しきれなかったものが子どもに引き継がれ、再び課題に上るのだ。子どもの思春期問題を通じて人生を見直す。二回目が一回目と違うのは、その歳になっていると人生の先の時間よりも振り返る時間の方が長くなっているから、人生のほぼ全体が見えているという点である。
ああ、自分の生き方は生まれてからずっと変わっていないな、と思って(この世界での)生き方の土台が見えると同時に、ああ、この部分は自分は我慢してきたんだと長くかかえてきた辛さもまた見える。変わっていない生き方の基本、その上にかかえてきた生き方の矛盾、その両方が見えると、人生がまるごと見えたことになる。



みつ
@m-tk
---「怖かった……家では感情を否定された。怖いというと『そんなの怖くない』と否定されて、怖いということはない、怖くないんだと思って育った。痛いと言っても、痛くないと叱られた。感情を出してはいけない家だった。みんな感情の逆のことを言う家族だった」

みつ
@m-tk
---「気持ちを受け止めてもらうっていうのも、本当は小さい頃のたわいのないことの積み重ねなんだろうなと思います。自分にはそういう経験がなかったのが、悲しいことなんだろうな、と思います。その悲しさにも気がつかないで今まで生きてきました」

みつ
@m-tk
---苦しい生き方を強いられた子は、思春期になって苦しみを訴え、生き方を変えたい、助けてほしいと親に迫る。しかし、多くの親はその訴えを理解しない。なぜなら、親は長い間続けてきた自分の生き方に疑問を持っていないので、子どもが何を訴えているのか見当がつかないのだ。子どもが「辛い」と訴えれば、親は自分の人生観から「あなたには我慢が足りない」としか応えられない。親から見ると、子どもはただ「我がままを言い」、「親に甘えて」自立していないように映る。親は「そんな子に育てた覚えはない」とイライラし、子どもは「親がいけないんだ」と言い返し、親子対立が激しくなる。
子どもは分かってもらえないと落胆し、挫折し、怒りの気持ちをどこに持っていったらいいか分からなくなる。
そうして、彼らは最後の手段に訴え、「心の病」になる。