
菜穂
@mblaq_0825
2025年6月2日

忘却の河
福永武彦
読んでる
本のある暮らし
積読家
読書会すみれ
輪読会
輪読会にて
第7回「硝子(ガラス)の城」P216~P250
今回は三人称で語られる章。
彼は誰なのかと思いつつ読んでいたら「無数にいる文化人の一人として――」の一文から、キタコレ三木先生と一人心の中で興奮した私です。
三木先生とは藤代家の長女がお世話になっている芸術批評家の方で、個展の時などに密かに会っていました。
傍から見ていると三木先生との時間は長女にとって僅かな安らぐひとときなのではないかなと思い、妻帯者ではあるけれど良い関係だし、三木先生の影のある儚さのようなものを感じ私にとっては好感を持てた人物でした。
そして、この章で三木先生の想い、背景などがしっかり見えました。切ない。
読み手が思っている以上に長女への想いが強かった。確かに妻帯者のくせに何言うとんねん、無責任やろなのですが……
私はなんだかこの方を責める気にはなれず。ただただ切ない。みんなも悪くなくてみんな悪い。
抜け出せない硝子の城に閉じ込められる苦しさは、その人にしか分からない。
そして本物の愛とは簡単には語れない。
しっかし、三木先生が意外に若くてちょっとびっくりした。まだお若いのに抜け出せない硝子の城。余程頑丈やなこれ。苦しいね。
登場人物の背景を知るごとに誰も責められなくなってきます。人にはそれぞれ抱えているものがある。
次回は誰が語りだし、そうして物語はどのようにまとめられ終結していくのか、楽しみです。
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