ゆう "ケアの物語 フランケンシュタ..." 2025年6月5日

ゆう
ゆう
@suisuiu
2025年6月5日
ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる
15年くらい前、苫小牧行きのフェリーで卒論のために『フランケンシュタイン』を読んでいた。飛行機に乗れたらよかったけどお金がなかったので、一番やすい等級の船底の客席。海をダイレクトに感じるとてつもない揺れ。ダニの皆さんがいっぱい住んでそうな毛布。修行中のような枕。なんでこんなにお金がないんだろうと情けない気持ちになりながら、でも「ひとりで(それも年数回ずつ)フェリーに乗る女」ってきっといつまでも思い出&ネタになるとどこかしぶとく感じてもいた。だってなんだか演歌みたい。その頃の私は演歌番組のアシスタントディレクターのアルバイトをしていた。うねる声、くねる身体。 それで『フランケンシュタイン』。ホモソーシャルとかミソジニー、フェミニズムをテーマに書いた。断片的な知識すぎる、学部生だからこそののびのび感のあった卒論だろうと思うけど、なんにせよなんだか元気でいいテーマだ。それでここ数年なんとなくフランケンシュタイン的なものがまた目につくようになっている気がして、だからこの本はやっぱり気になる。でも昨日夫とこの物語の舞台について話した時、堂々と「ロンドンでしょ」とか言ったけどジュネーブだった。そうだ。 一番好きなシーンは、怪物がさまよっていた森の中でそこに棲む植物や生きもの、川の流れとたわむれ、命のかがやきみたいなものとダンスするシーン。でもこれも妄想かもしれない。
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